「切る」と「斬る」の使い分けを丁寧に|会社をクビになるのは首切り?首斬り?

もう迷わない 漢字のチョイス

はじめに

「切る」ってとってもたくさん使いますよね。野菜を切ったり、髪を切ったり、縁を切ったりすることもあります。でも、「きる」の中には「斬る」もあって、これも常用漢字なんです。ですから、「切る」と「斬る」は使い分けたほうがいいんですね。

「斬る」というと時代劇が思い浮かびますが、そのほかにどんな場面で使うのか気になりませんか? 今回は「切る」と「斬る」の使い分けについてまとめてみたいと思います。

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「切る」とはどんな意味?

「切る」は「①刃物でものを分ける」ことですが、「②つながりを断つ」という意味でも用います。一般語なのでほかにもたくさんの使い方がありますが、「斬る」以外は「切る」ということになりますね。

①刃物でものを分ける
・大根を包丁で切る
・はさみで紙を切る
・爪を切る
・切り捨てる
・切れ味を試す

②つながりを断つ
・組織と手を切る
・電話を切る
・親子の縁を切る
・電源を切る
・水けを切る

③その他
・ハンドルを切る
・スタートを切る
・期限を切る
・カメラのシャッターを切る
・たんか(啖呵)を切る
・相当な切れ者だ

「斬る」とはどんな意味?

「斬る」は、「①長い刃物で人を殺傷する」場合に限って用います。命を奪うことが目的なので、出てくるとしたら時代劇やアニメでしょうか。

ただ、「斬る」には比喩的な用法があって、「②欠点を暴き出して批判する」という意味もあるんです。こちらの意味なら現代でもよく目にしますよね。バッサリと容赦なく批判するので「斬る」にするんですね。

①長い刃物で人を殺傷する
・敵を斬る
・日本刀で斬りつける
・主人公が悪役たちを次々に斬る

②批判する
・悪徳商法を斬る
・政界の腐敗を斬る
・現代の世相を斬る
・矛盾した発言を容赦なく斬った。
・甘い考えを痛快に斬ってみせた。

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「首を切る」と「首を斬る」

あまり触れたくない話題ではありますが、身近な言葉として「首を切る」がありますよね。会社を解雇したり解雇されることをいいます。

どうして「首を切る」なのかというと、文字どおり斬首(ざんしゅ:首を斬る刑罰)に由来するという説が有力です。かつては命令に逆らったり謀反を起こせば首を斬られていたんです。そこから転じて「身分や役職を失わせる」という意味になったようです。

もちろん、斬首であれば「斬る」になるわけですが、「解雇する/される」という意味の場合には「切る/切られる」を用いてください。

まとめ

○切る:一般的に広く使う。分断する、つながりを断つ。(野菜を切る、縁を切る、会社をクビにするなど)

○斬る:長い刃物で殺傷する。転じて、バッサリと厳しく批判する。(敵を斬る、世相を斬るなど)

迷ったときは、基本的には「切る」を使い、時代劇のような場面や「鋭い批判」を強調したいときだけ「斬る」を使うと覚えておけば間違いありません。

そうはいっても「斬る」にしていいかどうか迷うことがあるかもしれません。そういう場合には一般語の「切る」を使ってみてくださいね。

最後まで読んでくださってありがとうございました!


【参考文献】
『大辞林(第四版)』三省堂
『明鏡国語辞典』大修館書店
『記者ハンドブック』共同通信


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