「話しことば」を「書きことば」にするポイントをまとめました

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はじめに

私はこのブログを書くときに、あえて「話しことば」に近い文体で書いていますが、それは、親しみを感じながら読んでほしいという気持ちがあるためです。ところが、新聞などでは親しみやすさは問題ではなく、いかに限られた字数で事実を正確に伝えるかが重要ですので、余計な言い回しは避けて端的に伝える手法がとられています。

このように、文体は目的によって使い分けますが、あまりくだけすぎた文章はレポートなどにはふさわしくありません。そこで今回は、「話しことば」を「書きことば」の直すコツについて、まずは初歩的なことをまとめてみたいと思います。

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文法上の誤りを正す

話しことばは文法を無視した自由な使い方をすることもありますので、まず、そこを修正しましょう。

「ラ抜け」を補う

「見れる」「食べれる」など、ラ抜きことはは正しい表現ではありませんので、書く場合は「ラ」を補って「見られる」「食べられる」などとしてください。

・見れる→見られる
・来れる→来られる
・食べれる→食べられる

イ抜けを補う

話す場合は「イ」がよく抜けてしまいます。書く場合は「てる」は「ている」、「てた」は「ていた」というように「イ」を補うようにしてください。

・立ってる→立っている
・待ってる→待っている
・書いてた→書いていた
・述べてた→述べていた

「テ」抜けを補う」

「やっとく」「任せとく」というように、話す場合は母音融合によって「てお(teo)」が「と(to)」になってしまいがちですので、「テ」を補いましょう。

・やっとく→やっておく
・任せとく→任せておく
・記録しとく→記録しておく

「話しことば」独特の表現は避ける

「話しことば」独特の言い回しがありますが、レポートなどではふさわしくないことがありますので、その場合は適切な語に修正します。特に多いのが「すごく/すごい/超」ですが、「とても」や「非常に」など別の語に言い換えます。

・すごく難しい
 →とても難しい
 →非常に難しい

・すごい便利
 →とても便利
 →非常に便利

・超簡単な方法
 →とても簡単な方法
 →非常に簡単な方法

音便(話しやすく発音するもの)は正しく直す

話しことばは、音便といって、発音しやすいように変わってしまうことがあります。このような場合は修正するときちんとした印象になります。

「って」「っていう」は「と」や「という」に直す。

・確実だって思います。
 →確実だと思います。
 
・間違いないっていうことです。
 →間違いないということです。

「こないだ」は「このあいだ」または「先日/過日」に直す

・こないだ行きました。
 →このあいだ行きました。
 →先日行きました。
 →過日行きました。

「んです」は使わない

話すときは「の」が「ん」になることが多くありますが、「んです」は省くか、「ん」は「の」に直します。

・行ったんですが
 →行ったのですが
 →行きましたが
 →行ったが
 →行ったのだが

・書いてあったんですが
 →書いてあったのですが
 →書いてありましたが
 →書いてあったが
 →書いてあったのだが

「いろんな」は「いろいろな」か「さまざま/多様な」にする

・いろんな意見がある。
 →いろいろな意見がある。
 →さまざまな意見がある。
 →多様な意見がある。

適切な接続語を用いる

「けど/けれど/けれども」は、書きことばの場合は、可能なら「が」に置き換えます。置き換えない場合は「けれども」にしてください。また、「……けど、……けど、……けど」のように同じ語の連続も避けるようにします。

・電車が遅れたけど間に合った。
 →電車が遅れましたが間に合いました。
 →電車が遅れたが間に合った。 

・負けたけども悔いはない。
 →負けましたが悔いはありません。
 →負けたが悔いはない。

「言い切りの形+です」は避ける

敬体の場合、語尾に「です」を用いることが多いものですが、言い切りの形に「です」を用いると幼い印象になりますので注意してください。

・楽しかったです。
 →楽しかった。
 →楽しいと思った。
 →楽しいと感じました。

・やってみたいです。
 →やってみたい。
 →やってみたいと感じた。
 →やってみたいと思いました。

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まとめ

今回は、まず手始めに「話しことば」を「書きことば」にするポイントを簡単にまとめてみました。論文やレポートを執筆するためにはこれではまだ不十分ですので、それについては次の機会にまとめてみようと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。