「買って出る」は花札が語源!|賭場のルールが「進んで引き受ける」に変わった理由

なりきり知識人

町内会の沈黙を破る「買って出る人」

町内会とかPTAなどの役員を決めるときって、空気がおも~くなりますよね。みんな下を向いて黙っていると、「私、やりましょうか?」と重役を買って出てくれる人が現れたりします。地獄に仏とはこのことです!

このように、人に頼まれたり指図されたりしていないのに、自分から進んで引き受けることを「買って出る」といいますよね。でも、どうして「買う」なのか、いったい何を「買う」のか不思議に思いませんか? 実は「買って出る」は花札の手札を買うことに由来していたんです!

花札の「買って出る」とは?

花札は基本的に3人で遊びますから、そこへ4人目がやってきて「私もやりたい!」といっても、ルール上、そう簡単には入れてもらえません。

どうしても勝負に参加したい場合は、席を譲ってもらう相手の手札の「役札(やくふだ)」をお金で買い上げて参加権を得なければなりませんでした。役札は勝ちにつながる札ですから、「それを買い取りますので席を譲ってください」というわけです。

これは席を譲る側にとっても悪い話ではありませんでした。勝負事は必ず勝てる保証はありませんから、席を譲ることで少額でも確実な利益が得られるほうがお得なこともあったんですね。こんなふうに双方にとって合理的な取り引きだったようです。

意味が変化した「買って出る」

このように、もともと「買って出る」は「金銭を払って賭場の参加権を買う」という、かなり泥臭い言葉でした。

でも、「買って出る」が賭場から日常の場へ出たことで、「お金を払う」という意味合いは薄れていき、「自ら進んで引き受ける」という前向きな言葉へと変化していったというわけです。

「買って出る」の例文
・町内のお祭りの世話役を買って出る。
・彼はプロジェクトのリーダーを買って出た。

まとめ

このように、「買って出る」は花札の賭場で生まれた言葉で、「役札をお金で買い上げて参加権を得る」ことでしたが、今では「誰もやりたがらない役を進んで引き受けてる」という前向きな表現になりました。

誰もやりたがらない役目には金銭以上の負担がのしかかりますから、「買って出て」くれた人に心から感謝して、少しでもやりやすいように応援できたらいいですね。



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