「テンパる」はもともとポジティブな意味だった?|麻雀由来のことばたち

なりきり知識人

「テンパる」の「テンパ」って何のこと?

私たちは日常語として「テンパる」を便利に使っていますよね。家の鍵が見当たらなくてテンパったり、気になる人に突然話しかけられてテンパったり、ほかの言い方では言い表せないくらいのニュアンスを伝えられる日常語です。

こんなふうに「テンパる」は「焦る」とか「せっぱ詰まる」という意味で使いますが、では、この「テンパ」って何のことなんでしょうか。天然パーマ? テンパーセント? いえいえ、実は麻雀の用語だったんです。

「テンパる」の語源は麻雀用語

麻雀では、あと1枚必要なパイがそろえば「あがり」になる状態を「テンパイ(聴牌)」というそうで、テンパイになることを「テンパる」と動詞にして使ったりするんですね。つまり「テンパる」は期待にあふれるポジティブな状態のことなんです。

でも、「あと少し!」というときは、期待が高まる一方で緊張もしますよね。うっかりミスをしてしまえばせっかくのチャンスも台なしです。

そんなこともあってでしょうか、「テンパる」はいつしか「余裕がなくせっぱ詰まる」という意味を持つようになっていったんですね。

「テンパる」が使われるようになるまで

このように、もともと麻雀用語では「聴牌」になることを「テンパる」と言っていましたが、そこから一般にも広がり、「準備が整っている」という意味でも使われるようになりました。明鏡国語辞典には「用意が整っていつでも対応できる状態になる」という意味も載っています。

その後、1990年代後半から2000年代にかけて若者言葉として広がるうちに、「余裕がない」とか「せっぱ詰まっている」という意味が定着していったと考えられています。

こんなふうに「テンパる」という言葉には、「もうすぐ成功」といううれしさと、「絶対に失敗できない」という緊張感の両方の意味があるんですね。

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「ちょんぼ」も麻雀から生まれたことばだった

同じく麻雀に関係する言葉に「ちょんぼ」があります。現在では「へまをする」とか「うっかり間違える」といった意味の日常語として使われています。「資料の数字をちょんぼして、上司に注意されちゃった」なんて言いますよね。

「ちょんぼ」は、麻雀用語の「錯和(ツォーホー)」に由来するという説が有力です。「ツォーホー」を日本語なまりで発音して「ちょんぼ」になったようです。

麻雀の「ちょんぼ」はあがりのパイを間違えてしまうことです。「やった、あがりだ!」と思ったら、「そろってないじゃん」とツッコまれててあえなく撃沈――そんな失敗をイメージするとわかりやすいかもしれません。

現在では、「ちょんぼ」は麻雀を離れて、「うっかりして間違えること」や「注意不足で失敗すること」という俗語として使われています。

まとめ

「テンパる」は、麻雀用語の「聴牌(テンパイ)」を動詞化した言葉です。もともとは「あと1枚であがれる」という状態のことでしたが、そこから「完成直前」という意味になり、さらに現在の「焦って余裕がなくなる」という意味でも使われるようになりました。

「ちょんぼ」もまた麻雀に由来する言葉ですから、何気なく使っている言葉の背景を知ると、麻雀をやったことがなくても、なんだか麻雀に親しみが湧いてきますよね。



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