公用文では「○か所」、新聞では「○カ所」と書きます
数字と一緒に用いられる「カショ」ですが、「○か所」とひらがなにしてあるものと、「○カ所」とカタカナで書いてあるものの両方を見かけますよね。これはどちらが正しいのでしょうか。
実はこれは統一されていないんですね。
・公用文やNHK、議事録表記では「○か所」とひらがなで表記します。
・新聞・マスコミ表記では「○カ所」とカタカナで表記します。
どちらも誤りではありませんので、適宜使い分けてくださいね。

「○か年/○カ年」や「「○か月/○カ月」も同様だね。
「箇所」と漢字で書くのはどんなとき?
「箇所」と漢字にするのは前に数字がない場合です。「箇所」と単独で用いたり、「点検箇所」や「指定箇所」「訂正箇所」などのように、ほかの漢字と組み合わせる場合ですね。
・防災訓練時の点検箇所はどこですか。
・危険箇所には立入禁止の看板が必要です。

数字を伴わない場合は「箇所」にすればいいのね。
「個所」という表記は用いません
「個所」という表記を見かけたことがあるかもしれません。以前はこれを「カショ」と読んでいたことがありますので、古い文書などには出てくるかもしれませんね。当時のルールとしては正しかったのでしょうが、現在はルールが変更になっています。
現在使用している常用漢字表では、「個」は「コ」とだけ読んで、「カ」とは読まなくなりました。ですので、「箇所」のほかに「箇条書き」なども「箇」を用いてくださいね。
「ヶ所」という表記は用いません
「3ヶ所」や「5ヶ年」などと、小さい「ヶ」を用いた表記は今でも目にすることがありますよね。ただ、これも古い書き方の名残ですので、現在では用いません。
「ヶ」は「け」ではなく「か」と読みます。なぜかというと、「ヶ」は「箇」の略字の「个」がさらに変化したものだからなんです。「箇」は「竹」に「固」と書きますが、もともとは竹のように固いものを数える単位だったそうです。
こんなふうに「箇」の代用として「ヶ」が用いられ、それが定着していったんですね。ただ、これも古い文書などには出てくるかもしれませんが、現在では用いませんので、「か/カ」にしてくださいね。

「ヶ」ってそういうことだったんだ。
まとめ
・数字を伴わない場合は「箇所」と漢字で書く
・「個所」や「ヶ所」は用いない
公用文と新聞とで扱いが異なるのが少し残念な気がしますが、それでも、それぞれ方針があってそうしているのだと思いますので、どちらを採用するかは立場によって決定してくださいね。
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