間違えやすい「おざなり」と「なおざり」
いざ話そうと思ったら、「これっておざなりだっけ? なおざりだっけ?」と迷うことがありますよね。意味が似ていて、しかも発音も似ているので紛らわしいです。でも、いったん身につけてしまえばもう迷わなくてすみますので、ここで覚え方を確認しておきましょう。
「おざなり」の簡単な覚え方
「おざなりは漢字で書くと「お座なり」です。「座」という漢字から、まずは「場所」を連想してください。「おざなり」は、「その場をとりつくろうこと。また、その場かぎりの誠意のない言動」の意味になります。「適当にあしらう」ようなニュアンスですね。
おざなりな仕事
おざなりな挨拶
おざなりな態度
「なおざり」の簡単な覚え方
「なおざり」は漢字で書くと「等閑」です。これは思い浮かばない漢字だと思いますので、「なお」という音から「なおもそのままにしておく」という意味を連想してください。「閑」には「おろそかにする」という意味があって、「なおざり」は「いいかげんにして放っておくこと。心に留めないこと」という意味になります。「気にしない」が比較的近いかもしれません。
服装をなおざりにする
食事がなおざりだったので体調を崩した。
部屋の掃除をなおざりにしたら大変なことになった。
例文で使い分けを確認してみましょう
・専門外のことを聞いたら( )な回答ばかりに終始した。 (おざなり)
・家庭を( )にしていたら、妻子が出ていってしまった。 (なおざり)
・担当者の説明が( )だったので、少し不愉快だった。 (おざなり)
・その男の( )なもの言いが詐欺を見抜くポイントだった。(おざなり)
・実家のことを( )にしていたら兄弟との関係が悪化した。(なおざり)

なんかコツがつかめた気がする!
間違えやすい「フィーチャー」と「フューチャー」
間違えやすいワードの2番目は「フューチャー」と「フィーチャー」です。時折、「○○にフューチャーする」という言い回しに触れることがありますので、これについて考えてみたいと思います。
「フューチャー」と聞いてすぐ思い浮かぶのが「バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)」ですよね。これは「未来へ戻れ」ですから、フューチャーは「未来」という意味です。ですから、「フューチャーする」という言い回しだと「未来する」ということになってしまって意味が通らなくなってしまうんですね。
たぶん、これは「フィーチャーする」と言いたかったのを言い間違えたのだと思います。「フィーチャー(feature)」とは特徴づけることの意味ですし、マスメディアでは特集のことを「フィーチャー」といいますから、「焦点を当てる」「注目する」という意味で用いるのなら「フューチャー」ではなく「フィーチャー」にしてくださいね。
「フュ」の発音がなんとなくかっこよくもありますので「フューチャー」と言いたくなりますが、そこは間違いのないように用いたいところです。

正直にいうと、私、「フューチャーする」って言ってました。
間違えやすい「ゆうちょう」と「りゅうちょう」
間違えやすいワードの3番目は、発音が似ているので、ついつい言い間違えてしまう「ゆうちょう(悠長)」と「りゅうちょう(流暢)」についてです。
「悠長」とは、落ち着いていて気が長いことや、のんびりしていて焦らないさまのことをいいます。
・悠長に構えてばかりもいられないね。
・これはまたずいぶん悠長な話だな。
「流暢」とは、ことばがすらすら出てきてよどみがないことの意味です。「暢」は常用漢字表にない表外字ですので「流ちょう」と表記します。
・彼女のスペイン語の流ちょうさには舌を巻いたよ。
・流ちょうに話す必要はありません。ゆっくりで大丈夫です。
言い間違いは誰にでもありますから、他人の間違いには寛容であったほうがいいですよね。ただ、自分自身については思い込みをなくすために、多少面倒であっても確認しながら用いていくように、私自身も心がけていきたいと思っているところです。
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