月の別名の覚え方(睦月、如月・・何だっけ?)

日本語そもそも

月の別名「睦月」や「如月」の覚え方を考えてみた

「和風月名」ってありますよね。「睦月」とか「如月」とかいうあれです。「師走」ならすぐ思い浮かぶものの、ほかはなかなか覚えられません。特に3月・4月がまぎらわしいです。そこで、「唱えことば」のようにして覚える方法を考えてみました。調子よく唱えたら覚えられるかも?!

和風月名唱えことば*****************         
1月睦月1月正月むつまじく(むつき)
2月如月2月寒くてさらに着る(きさらぎ)
3月弥生3月いやーよ卒業は(やよい)
4月卯月4月うずうず新学期(うづき)
5月皐月5月はサツキ メイちゃんも(さつき)
6月水無月6月梅雨に水がない(みなづき)
7月文月7月七夕 文を書き(ふみづき)
8月葉月8月葉っぱがわっさわさ(はづき)
9月長月9月お月見 夜長く(ながつき)
10月神無月10月神様いなくなる(かんなづき)
11月霜月11月朝に霜おりて(しもつき)
12月師走12月先生走ります(しわす)
(和風月名早覚え)

ちなみに、本来の意味は以下のとおりです。「唱えことば」に記載した意味と異なっている月もありますので、念のため確認しておいてください。

いわれ
1月 睦月(むつき)お正月に親戚が集まり睦(むつ)まじくすることから
2月 如月(きさらぎ)寒さが残っていて衣を更に着る月の意味
3月 弥生(やよい)草木が生い茂る月の意味
4月 卯月(うづき)卯(う)の花が咲く月の意味
5月 皐月(さつき)田植えをする月の意味
6月 水無月(みなづき)田に水を引く月の意味
7月 文月(ふみづき)稲の穂が実る「穂含月(ほふみづき)」から
8月 葉月(はづき)木の葉が落ちる月の意味
9月 長月(ながつき)夜が長い月であることから
10月 神無月(かんなづき)各地の神様が出雲大社に集まり、地元に神様がいなくなる月
11月 霜月(しもつき)霜が降る月の意味
12月 師走(しわす)師匠まで忙しそうに走る月の意味
スポンサーリンク

大の月、小の月の覚え方(西向く侍 小の月)

月には、31日まである「大の月」と、30日までしかない「小の月」がありますよね。2月だけイレギュラーですけれどもね。

「大の月」は31日まである月
「小の月」は30日までの月
(2月のみ28日または29日)

「西向く侍 小の月(にしむくさむらいしょうのつき)」というのは、「大の月」と「小の月」を覚えるために考えられた語呂合わせです。私は小学生のときに担任の先生に教えていただきました。

「にしむく」は「二、四、六、九」で、「さむらい」は「十一」です。ここでいう「さむらい」というのは「武士」の「士」の字のことを指していて、「十一」を縦に書くと「士」に見えるため、こんなふうに使われているんです。

小の月 2月 4月 6月 9月 11月
大の月 1月 3月 5月 7月 8月 10月 12月

「西向く侍 小の月」と覚えておくと、ほかの月は大の月ということになって、とっても便利です。一度覚えたら一生使えますから、もしも初めて聞いたという方はぜひ覚えてみてくださいね。

「月」にまつわる慣用句・ことわざ

日本人は月が大好きで、秋の真ん中ぐらいの月が最も美しく見えることから、「中秋の名月」と名づけて「月見だんご」をいただきながら観月しますが、どうしておだんごかというと、月のようにまるいからです。

ハンバーガーの「月見バーガー」が売り出されるのも秋口だと思いますが、中に卵が入っていますよね。こんなふうに、卵の黄身を月に見立てて「月見」というふうに呼ぶ食べ物は「月見うどん」や「月見そば」もそうですし、ここのところ「月見メニュー」が続々と登場していますよね。日本人はどれだけ月を愛しているのでしょう。

そこで、「月」にまつわる慣用句やことわざをいくつか確認しておこうと思います。もしも知らない言葉があったら、この機会に覚えてみてくださいね。

「月並み」とは?

もともとは「毎月、定期的に行うこと」の意味ですが、転じて「ありふれていること」「新鮮味がないこと」の意味で用いられるようになりました。

・月並みな言い方で恐縮です。
・月並みなアイデアばかりだな。

「月とすっぽん」とは?

すっぽんカメ科のすっぽんのことで、空に輝く月と池に沈むすっぽんを比べて、両方とも形はまるいけれども中身が全く違う、つまり「差が甚だしい」という意味で用いられます。すっぽんは月と競うつもりもなかったでしょうに、比べられて気の毒なことです、

・遅刻しそうな朝とゆっくり散歩しながら行く朝では、見える景色が月とすっぽんだ。
・スーツとTシャツでは月とすっぽんよ。どっちが面接にふさわしいか考えなさい。

「月夜に釜を抜かれる」とは?

月夜というのは明るい夜のことです。「月夜に釜を抜かれる」は、月が照って明るい夜に釜を盗まれることから、「ずいぶん気がゆるんでいたものだ」という意味です。

・腹巻きの中にお財布を入れておいてなくすなんて、月夜に釜を抜かれてどうするのよ。

「月夜に提灯」とは?

これも「月夜」ですから明るい夜のことですね。明るいのに提灯で照らすなんて無駄なことなので、「無用なもの」の意味です。

・実家の両親のためにスマホの入門書を買って帰ったら、自分たちでゲームやらメールやら楽しんでいて、月夜に提灯だったよ。

「鏡花水月」とは?

「鏡花水月(きょうかすいげつ)」は粋な四字熟語ですよね。意味は「鏡にうつった花や、水面にうつった月のように、目には見えていながら手に取ることのできないもの」のことです。文学的には、直接的に表現していないので直感で感じ取るしかない場合にも用いられます。

・どれだけ熱心に推し活をやろうとも、しょせん鏡花水月なのが悲しいところだな。

まとめ

ここまで「月」に関していくつか述べてきました。私は月というと『美少女戦士セーラームーン』の「月野うさぎ」が真っ先に思い浮かびます。あるいは『宇宙兄弟』も月を描いた壮大なサイエンスフィクションですよね。長く月に親しんできた日本人です。たまには月見だんごをほおばりながら月を見上げるのも、また趣がありますね。