日本文化を知る名作アニメ5選:これを見れば日本を語れます!

次世代に伝えたい傑作アニメ

日本人でも知っていることは案外少ない?

今、ジャポニズムの波が押し寄せていますが、日本人であっても日本文化についてよく理解していないことも多いのではないでしょうか。自分の人生の中で経験できることは限られていますからね。

でも、アニメ作品で日本の文化のことを知ることができて、それも名作となれば、見ない手はありません。楽しみながら教養まで身についてしまうのですから一挙両得です。今回は、日本の文化を知る手助けになる、しかも質の高いアニメを5つ紹介したいと思います。

まず、書道の『ばらかもん』、津軽三味線の『ましろのおと』、将棋の『3月のライオン』、競技かるたの『ちはやふる』、最後に弓道の『ツルネ』です。

①『ばらかもん』(書道)
②『ましろのおと』(津軽三味線)
③『3月のライオン』(将棋)
⑤『ちはやふる』(競技かるた)
④『ツルネ -風舞高校弓道部-』(弓道)

『ばらかもん』で「書道」を知ろう!

アニメ『ばらかもん』は書道をテーマにした日常系アニメです。舞台は長崎の五島列島で、不器用な若き書家と地元の人たちの交流を描いた作品です。都会から来た若者のことをさりげなく支える島の人たちとの交流や、遠慮のない島の子どもたちが、だんだんかけがえのない存在になっていく過程が描かれていて、見ている自分の心もほぐれていくのを実感します。

日本では小学校から「書写」という時間があって、毛筆や硬筆で書く練習をします。これは「文字を正しく整えて書く」能力を養うためのものですが、書道は芸術、まさにアートの世界で、外国人にも人気がありますよね。アニメの中でも正真正銘の書家さんが作品を提供しているので、書道の高い芸術性の一端をかいま見ることができます。

ちなみに「ばらかもん」とは五島地方の方言で、「元気者」という意味だそうですよ。

『ましろのおと』で「津軽三味線」を知ろう!

『ましろのおと』は津軽三味線を題材にした作品です。主人公の澤村雪は祖父から津軽三味線の手ほどきを受けていましたが、祖父亡きあと、東京の高校で仲間たちと自分の音を見つけていくというストーリーです。主人公は青森県の出身の設定なので、本格的な津軽弁が用いられていますが、とても自然な津軽弁で、声優さんたちに脱帽です。

津軽三味線は、今でこそカッコいい楽器として定着していますが、かつて津軽地方においては、男性視覚障害者の門付け芸(演奏して金品をもらうこと)としてさげすまれてきたそうです。作品中ではそんな歴史にも触れられていて、とてもためになります。また、何より作品中の演奏がすばらしくて、ずっと聴いていたくなるような名演奏ですから、津軽三味線が大好きになること間違いなしです。

『3月のライオン』で「将棋」を知ろう!

『3月のライオン』は将棋を題材にしたアニメで、両親を事故で亡くした主人公の桐山零が将棋に打ち込みながら、偶然出会った川本家の三姉妹に支えられ、交流を深めていくというお話です。将棋は日本独自のボードゲームですが、その人気ぶりはご承知のとおりです。

この作品はモノローグが主体の作品で、主人公の一人語りがとても多いんですね。そのため、将棋に詳しくなくてもおいてきぼりになりません。また、主人公を取り囲む人たちがみんな魅力的で、人の温かさに浸ることのできる作品です。また、アニメを見ることで、将棋の段位や棋戦の種類についても理解することができますよ。

ちなみに「3月のライオン」というのは、”March comes in like a lion, and goes out like a lamb.(3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去っていく)に由来しているようです。これは「3月はライオンのように荒々しい天気で始まるけれども、下旬になると春らしくなって子羊のように穏やかになる」というお天気にまつわることわざです。すてきなタイトルですね。

『ちはやふる』で「競技かるた」を知ろう!

『ちはやふる』や日本の百人一首を用いた競技かるたを題材にした作品です。アニメを見るだけで競技かるたのルールや百人一首の歌の内容まで知ることができるんですから、これは見ないわけにはいきません。私はお正月にやる「いろはかるた」しかやったことがありませんが、競技かるた部は体育会系の部活のようでもあり、なんとも独特な世界です。

『ちはやふる』という題名は、「小倉百人一首」の十七首「ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」から取ったものですが、それぞれの意味や背景などがストーリーに織り交ぜられているので、古典は苦手という人も楽しみながらその魅力に触れることができます。

『ツルネ』で弓道を知ろう!

『ツルネ -風舞高校弓道部-』は弓道がテーマの作品です。日本で最古の武道が弓道だそうで、弓道部がある高校も多いのではないでしょうか。私が通っていた高校にも弓道部があって、長い弓を背中に背負って登校してくる友人にあこがれ抱いていたことを思い出します。

弓道は運動部ですが、対戦相手に勝利するというよりも、自分が最大のパフォーマンスを発揮すること、チームが一体となって高得点を狙うことが主眼です。ですから、攻撃性は少なくて、まるで禅のようなスポーツで、見ていくうちにルールや所作が理解できるようになります。

ちなみに、「ツルネ」というのは「弦音(つるね)」のことで、矢を放った際、弦が弓を打つときに鳴る音のことだそうです。

まとめ

今回は日本文化を知る名作アニメをご紹介しました。どれも公開された当初から少し年月がたっていますが、名作はやはり残っていきますね。今は配信があるので、見逃していた作品にいつでもアクセスできるところがいいですね。気に入った作品は何度も見返すこともできます。

日本は海外からどんなふうに見えているのかというと、東の端っこにあるちょっと風変わりな国という位置づけなのではないかと思います。でも、そんな日本の誇れる文化のひとつがアニメーションです。ぜひ、お気に入りの作品を見つけてみてくださいね。