『ラーメン赤猫』に学ぶ「猫」のことわざ・成句・慣用句

次世代に伝えたい傑作アニメ

何を見たらいいかわからない日は『ラーメン赤猫』

アニメも映画もドラマもたくさん配信されていますが、何を見たらいいのか、自分は何を見たいのかわからない日ってありますよね。体調や心の状態も関係しているかもしれません。そんな日は、あまり感情に負担がなく、それでいてほっこり温まれるものがいいですよね。おすすめなのがアニメ『ラーメン赤猫』です。現在配信されているのはシーズン1ですが、シーズン2の制作も決定したそうです。

『ラーメン赤猫』ってどんなお話?

『ラーメン赤猫』は日常系アニメです。猫好きさんにはもってこいですが、特に猫に興味がなくてもまったく問題ありません。個性豊かな猫さんたちが働くラーメン店に一人の人間の女の子がアルバイトとして雇われて、正社員になるまでのお話です。お店にやってくるお客さんは人間で、猫が人間相手に商売をしているんですね。

ちょっと変わった設定ですが、ゆったりまったりお話が進んでいき、人間と猫の心の交流がほほえましいアニメです。人間の珠子さんは20代でしょうか。訳あって前の会社を辞めています。そんな彼女と猫たちとのやり取りを見ていると、無理に元気を出さなくても大丈夫、できることで頑張ればいいんだと思えてきます。

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『ラーメン赤猫』に学ぶ「猫」のことわざ・成句・慣用句

シーズン1は全12話ですが、お話の最初に必ず猫に関することわざや慣用句が入っていて、作者のアンギャマンさんだと思われるT.K.アンギャースさん作のパロディーが示されます。ことわざや慣用句には知らないフレーズもあったので、ここで意味をまとめておきたいと思います。

第1話 猫の手も借りたい

〔猫だって「人の手を借りたい」ものである(T.K.アンギャース)〕

「猫の手も借りたい」というのは、「とても忙しいので、一人でも多くの人に手伝ってほしい。そこの猫にだって手伝ってほしいくらいだ」という意味です。慌ただしく動き回っている横で猫がのんびりとお昼寝をしていたら、確かにそう思うかもしれません。でも、これだと猫は役に立たないのが前提です。猫たちが営むラーメン店では、逆に「人の手を借りたい」くらい忙しいようですよ。

第2話 好奇心は猫をも殺す

〔「好奇心は人だって殺す」かも(T.K.アンギャース)〕

「好奇心は猫をも殺す」というのは、イギリスのことわざの “Curiosity killed the cat” に由来しています。好奇心を持つことはいいことですし、それが自身の成長につながるわけですが、「好奇心も度が過ぎると危険な目に遭ったりするから、ほどほどにしておいたほうがいいよ」というような意味ですね。どうして「猫」なのかというと、猫はとっても好奇心旺盛な動物だから。でも、好奇心は大事です。人間だって好奇心を失ったら終わりですからね。

第3話 猫が顔を洗うと雨が降る

〔「虎が麺を打つと客が来る」(T.K.アンギャース)〕

「猫が顔を洗うと雨が降る」というのは、ことわざではなくてお天気にまつわる言い伝えです。真偽のほどはわかりません。ヒゲが湿度を感知して顔を洗うことがまったくないとは言いきれませんが、都市伝説の域を出ないのではないかと思います。ただ、「ラーメン赤猫」のお店には1匹だけ虎さんがいるんですが、彼女が麺を打つと客が来るというのは都市伝説ではなく事実のようですよ。

第4話 猫に小判

〔「猫にゲーミングPC」(T.K.アンギャース)〕

「猫に小判」というのは、「価値のあるものを与えても、その価値がわからない者には何の役にも立たない」という意味です。猫の場合は小判ですが、「豚に真珠」ともいいますよね。大事にコレクションしていたものを親に捨てられてしまった苦い経験をお持ちの方もいるかもしれません。モノの価値は、それを大事にする人が決めるものです。猫に小判は役に立たなかったかもしれませんが、もしもゲーミングPCを与えたらどうなるんでしょうか。

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第5話 猫に鰹節

 〔「猫に鰹節」は程よい距離で(T.K.アンギャース)〕

「猫に鰹節」というのは、「欲しいものを近くに置いておくことは、わざわざ過ちを引き起こさせるようなものだ」という意味です。ダイエット中の人の隣でケーキを食べたり、断酒中なのを知っていて飲みに誘ったりするのは酷な話ですからね。猫さんもきっと鰹節を目にしたら、秒でかっさらっていくことでしょう。我慢する自信がないものには、やっぱり程よい距離が必要なようです。

第6話 能ある鷹は爪を隠す

 〔「鼠捕る猫 爪を出したり隠したり」(T.K.アンギャース)〕

「能ある鷹は爪を隠す」というのは、「すぐれた才能を持っている人は、ふだんはそれを見せびらかしたり自慢したりしないものだ」という意味です。あまり自慢するものがない人ほど、ちょっとしたことをひけらかしてしまいまいがちです。私も持っているものが少ないのでよくわかります。ラーメン店の猫たちはみんな謙虚ですが、それでも少しは自慢したいのではないでしょうか。

第7話 照猫画虎(しょうびょうがこ)

〔「猫見て虎描いちゃだめでしょう」(T.K.アンギャース)〕

「照猫画虎」は中国の故事成語で、文字どおり「猫をお手本にして虎を描く」ことですが、意味としては、「外見をまねているだけで本質や中身が伴っていないこと」をいいます。虎を見に行くのは大変だから、手近な猫で済ませてしまったんでしょうね。形だけまねしてもバレてしまうようです。ちなみに、作品中の虎のクリシュナちゃんは、体は立派で強そうなのに、とってもかわいらしい性格なんですよ。

第8話 猫の居るのは屋根の上 鳥の居るのは木の上

〔「猫の居るのは屋根の上」とか誰が決めちゃったのかな(T.K.アンギャース)〕

「猫の居るのは屋根の上 鳥の居るのは木の上」というのは、それぞれに合った居場所がある、つまり、適材適所で、その人が活躍できる場所は決まっているものだということです。「自分の個性や適性に合ったところにいるのがいいよ」という積極的な意味もあるかもしれませんが、逆にいえば、「そこで満足していればいいんだよ」という意味にも受け取れますので、そのことをT.K.アンギャースさんはおっしゃっているのでしょうね。

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第9話 猫も杓子(しゃくし)も

〔だれもかれも あれもこれも 「猫も杓子」も(T.K.アンギャース)〕

「猫も杓子も」の意味は「だれもかれもみんな」という意味です。「杓子」とは「しゃもじ」のことですね。どうして「猫」と「杓子」なのか、語源は定かではないようで、「祢子(ねこ:神職の人)も釈氏(しゃくし:仏職の人)も」という説、「女子(めこ)も弱子(じゃくし)も」という説、「猫のような顔の人も、杓子のような顔の人も」という説などがあるようです。「猫も杓子もアニメを見るようになった」というのであれば、私は喜んで杓子になります。

第10話 猫を被(かぶ)る

〔猫が「猫を被る」と2倍ややこしい(T.K.アンギャース)〕

「猫を被る」というのは「本性を隠しておとなしそうに見せかけていること」です。猫はおとなしくてかわいらしく見えますが、突如として凶暴になって爪を立てて襲いかかることもありますからね。誰しもそういう面はあるのではないでしょうか。ただ、このアニメでは猫たちが主人公ですから、確かに「猫が猫を被る」となるとややこしいことになりそうです。本性を見せたと思ったら、それが猫をかぶっている姿だったりして?

第11話 猫の子を貰(もら)うよう

〔「猫の子を貰うよう」なんてお気軽に言われるのは心外かも)(T.K.アンギャース)〕

「猫の子を貰うよう」というのは、本当は大変なことを、あまり深く考えずに引き受けることをいさめる場合に、「猫の子を貰うようにはいかないよ」というように用います。逆に、「猫の子をもらうよりも簡単だった」ということもあるかもしれませんが、いずれにしても、猫の子をもらって育てるのは苦労がないことにされてしまっています。本当でしょうか。猫の子にとってはいろいろ大変なはずですけれどもね。

第12話 結構毛だらけ 猫灰だらけ

〔「結構毛だらけ 猫灰だらけ」なんて洒落乙(T.K.アンギャース)〕

「結構毛だらけ 猫灰だらけ」は江戸時代の洒落言葉で、「無駄口」ともいいます。「結構なことでございます」というのを少しふざけて言ってるんですね。「結構」の「け」から「毛」になって、「毛」が生えているものとして「猫」になり、さらに、「だらけ」つながりで「灰だらけ」というわけです。このように言葉を重ねることでリズムを楽しんでいるんですね。どうして猫が灰だらけなのかというと、昔はいろりで暖をとっていたので、猫も寒がっていろりの灰の上に居座る、その灰が猫の毛についてしまっている様子を言い表しています。

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まとめ

そのほかの猫にまつわることわざや慣用句はほかにもたくさんあります。

・猫かわいがり
・猫だまし
・猫の額ほど
・猫は虎の心を知らず
などなど

ここでは、アニメの『ラーメン赤猫』についてご紹介しました。そのため内容はシーズン1のものになっています。シーズン2も楽しみです。漫画を読まれている方はもう先を行っているでしょうが、アニメになったらまた更新したいと思います。最後まで読んでくださってありがとうございました。