ここを押さえれば大丈夫! 「規定/規程」「改定/改訂」の使い方

もう迷わない 漢字のチョイス

はじめに

「決まり事」という意味の「きてい」には「規定」と「規程」がありますよね。これってどっちを使ったらいいか迷ったことはありませんか? 読み方が同じで漢字も似ているので紛らわしいですよね。

実際、混乱を防ぐために、国で出している「法令における漢字使用等について」という文書においては、「「規程」は法令の名称としては原則として用いない。「規則」を用いる。」と定めているほどなんです。法令は守らなければならないルールですからね。

「規程」ももちろんルールのことですが、「約束事」のようなニュアンスもあって「規則」よりも響きがやさしいですから、内容によってはこちらが好まれるのもうなずけます。

でも大丈夫、使い分けのポイントを押さえておけば迷わなくなると思いますので、今回は「規定」と「規程」の使い分けについて探っていきたいと思います。関連して、「改定」と「改訂」の使い分けについても言及しますので、最後までお読みいただけたらうれしいです。

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「規定」と「規程」の意味の違いと使い分け

「規定」も「規程」も「決まり事」や「定め」という意味ですが、「規定」は堅苦しい条文ばかりではなく、広く一般に「規定種目」や「規定に従ってください」などと用いられますし、「規定する」や「規定される」というように動詞になったりもします。

一方で「規程」は役所や会社などでよく用いられますが、簡単にいえば「規定(決まり事)の集まり」のことです。例えば、「服務規程」を定めているところは多いかと思いますが、ある項では「出社するときは清潔な服装で」と規定され、ある項では「貸与されたパソコンを持ち帰ってはだめですよ」と規定され、また別の項では「遅刻・早退の手続きはこうしてください」と規定されていて、それらの規定が集まったものが「規程」なんですね。

「規程」は、一部の条文だけを指す場合も用いません。あくまで条文の総体が「規程」です。このように、「規程」は主にそれらを取り決めた文書などの名称として用いられるものであるので、「規程する」とか「規程される」などと動詞としては用いません。

(用例)
・「服務規程」に規定されているように、出社時刻は午前8時50分です。
・「文書管理規程」には、資料の保存期間は3年と規定されていますよ。

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「改定」と「改訂」の意味の違いと使い分け

続いて「改定」と「改訂」の違いを見ていきましょう。

「改定」は、読んで字のごとく「一度決めたものを改めて定め直す」ことです。これはとても身近な語なので迷いはないのではないかと思います。運賃が改定されたり、定価が改定になったり、給与を改定したりしますのでね。

一方で、「改訂」というのは、「書物などの内容に手を加えて正す」意味でのみ用います。「訂」というのは「訂正」の「訂」ですから、字句の誤りや内容を修正して、新しい書物として作り直すのが「改訂」です。「規定」と「規程」のつながりでいえば、「規定」は「改定」で、「規程」は「改訂」になります。

「改定」:一度決めたものを改めて定め直す
(用例)
・来月からバス運賃が改定されるみたい。
・行きつけの食堂の価格改定はちょっと痛い。
・給与改定といっても小幅なんでしょう?

「改訂」:書物などの内容に手を加えて正す
(用例)
・教科書の改訂が行われた。
・学習指導要領が改訂されるようだ。
。この辞書の改訂版が出るらしいよ。

まとめ

「きてい」にはほかに「既定」もありますね。これはすでに決まっていることです。「規定」と「既定」もちょっと紛らわしいですが、「既定」は「未定」の反対語として覚えてみてくださいね。

今回は「規程」と「規程」、「改定」と「改訂」についてまとめてみました。何か少しでも参考になればうれしいです。ここまでお読みくださってありがとうございました!