「風」と「ふう」の使い分け/「こういうふうに」はひらがなにします

表記の決まりごと

はじめに

「風」というのは「かぜ」と読む以外に「ふう」とも読めて、「風格」や「風習」などと熟語になるほか、「英国風」とか「田舎風」などと接尾語としても用いられますよね。ただ、「知ったふうなことを言わないで」や「こういうふうにするといいよ」などという場合には「風」ではなく「ふう」を用いるんですね。

最初に結論を述べて終わりになってしまいますが、念のため、それぞれの使い方について確認していきたいと思います。

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ひらがなにする「ふう」の使い方

前述したように、やり方を示したり傾向を示す「ふう」はひらがなにします。これは公用文はじめ新聞表記などに共通する使い方で、『最新公用文用字用語例集』にも『記者ハンドブック(新聞用字用語集)』にも掲載されていますし、NHK表記や議事録表記も同様です。

具体的にどのように使うか用例で確かめてみましょう。

・こういうふうにしてください。
・そんなふうに考えているんだね。
・どんなふうに生きていくつもり?
・知らないふうを装ったから大丈夫だ。
・知ったふうなことを言わないでくれ。

漢字にする「風」の使い方

漢字にするのは、上記以外のものということになりますが、単独ではなく、ほかの語と一緒に用いる場合と覚えてもよいかもしれません。これについても具体的な使い方を確認してみましょう。

(様式や様子など)
・洋風
・和風
・学風
・気風
・芸風
・今風
・上方風
・風貌

(「そのように見える」の意)
・純日本風
・北欧風
・英国風
・田舎風
・学者風
・芸者風
・スポーツマン風
・サラリーマン風

(「趣/風/うわさ」などの意の熟語)
・風格
・風味
・風景
・風車
・風速
・風雪
・風評
・風説

まとめ

網羅しきれていないかもしれませんが、「こういうふうに」や「知ったふう」はひらがなで、それ以外は漢字と覚えれば迷いはないのではないかと思います。

今回は「風」と「ふう」の使い分けについてまとめてみました。少しでも参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。