アニメ『その着せ替え人形は恋をする』のSeason2が2025年7月5日より放送されます!
この記事はSeason1の内容をもとにしたものですのでご了承ください。
自分以外になれないからこそのコスプレ
『その着せ替え人形は恋をする』は、コスプレを題材にしたアニメ作品です。コスプレしてみたいけど、どうやったらいいのかわからないという人は、まず、このアニメを見るとかなり参考になりますよ。私たちは自分以外の人生を生きることはできません。だからこそ、コスプレで別の人格になりきってみたいという願いが生まれるのではないかと思います。
コスプレというと眉をひそめる方もいらっしゃるかもしれませんが、コスプレ願望はみんな持っているのではないでしょうか。昭和生まれの上司だって、風呂敷をマントの代わりにしてヒーローになりきっていた時代があったはずですし、結婚式にあこがれる女子が少なくないのも、結婚そのものより、ウエディングドレスを身にまとうことのほうにウエートがあるように思います。
この作品では、「コスプレ」という一部の人の興味を一般化させるために「ひな人形」が一役買っていて、これは見事な着眼点というべきでしょう。ひな人形を大事にする気持ちと、特別な日のために特別な衣装を用意する胸の高まりを掛け合わせていて、とても心温まるストーリーになっているんですね。
『着せ恋』のあらすじをざっくりと
高校生の五条新菜は、祖父が雛人形店を経営している影響から、男子でありながらひな人形が大好きで、将来は雛人形の顔を制作する頭師になりたいと思っています。ただ、そんな彼を理解する友達はいませんでした。
ところが、ある日、ひな人形用の衣装を作っているところを同級生の喜多川海夢に目撃され、コスプレ用の衣装作りを依頼されます。明るくてかわいい喜多川は、五条にとっては雲の上の存在ですが、不器用な彼女は五条をすっかり頼り、五条は頼られたことで自分に自信をつけていき、ふたりの距離もだんだん縮まっていくというストーリーです。
「コスプレ」とは?
「コスプレ」は日本発祥のことばで、「コスチューム・プレイ」からつくられた和製英語です。ウィキによると、イギリスのオックスフォード英語辞書にも載っているそうです。もちろん、海外にも「仮装」はありますが、「コスプレ」は単なる仮装ではなく、漫画やアニメの特定のキャラクターに外見も内面もなりきることをいいます。
コスプレのための衣装は量産できるはずもないので、個人で準備するしかありません。『着せ恋』の中でも、生地を売っているお店や素材選びにも触れられていますし、かつらの専門店などコスプレのための情報が満載で、「こんなお店もあるんだ!」と驚くことばかりです。
「ひな人形」は早く片づけるべき?
日本では、女の子がいる家では3月3日が近づくとひな人形を飾ります。もともとは、子どもの災厄を人形に移して、それを川に流す「流しびな」が主流でしたが、それがだんだん人形で遊ぶ「ひな遊び」と結びついて「ひな飾り」になったようです。
「3月3日を過ぎてもおひなさまを片づけないとお嫁に行けなくなる」という風習は耳にしたことがあるかもしれません。今はお嫁に「行けない」のではなく「行かない」ことも多いですので、気にすることはないのかもしれませんが、ひな人形には厄払いの意味があったため、早く片づけなければならないとされていたようです。
「鈴木人形」がモデルになった「五条人形」

主人公の実家が営んでいる「五条人形」は、埼玉県の「鈴木人形」さんをモデルにしたそうです。それで、鈴木人形さんのホームページを見ていたら、まるで主人公の五条新菜が立派に大人に成長して手がけたようなひな人形が販売されていました! 作者さんは「鈴木晃隆さん」だそうです。

鈴木人形さんのオンラインショップではSOUL’d OUTになっていましたが、ひな人形を扱っている楽天ショップでは取り扱いがありました。ゴスロリ調の雰囲気がたまりません。これなら一年中飾っておきたくなりますね。
最後に
今回は『その着せ替え人形は恋をする』を紹介させていただきました。ひな人形も、子どもの成長とともにだんだん飾る機会が減ってきて、残念ながら、いずれは処分という道をたどることになります。
でも、お顔がある人形は処分しづらいものですよね。古いひな人形を引き取ってくださるところもあるようですが、そうしたことも考慮すれば、段飾りよりもコンパクトなひな飾りのほうがよいのかもしれません。
最後まで読んでくださってありがとうございました。