「など」と「等」の使い方を確認しましょう

知りたかったモヤモヤ語

「等」の読み方は「トウ」?「など」?

文書などを見ていると、よく「等」という字が使われていますよね。「等」は、同等のものがほかにもあることを示す接尾語として用いられます。抜けや漏れがないように、念のため「等」と入れておけば安心ですからね。

・今年度の高齢者等居住改修工事の受付が開始された。
・美術館、博物館、図書館等の充実を図っていかなければならない。
・持ち物:飲み物、昼食、雨具、行動食、タオル、ティッシュ、ごみ袋等

このように用いますが、これは「トウ」と読むのでしょうか、「など」と読むのでしょうか、どちらでもいいのでしょうか。そこで今回は、「等」について確認していくことにしましょう。

「その他いろいろ」という意味のエトセトラ(etc.)みたいなものだね。

「等」の読みは「トウ」だけで「など」と読みません

「等」を常用漢字表で確認してみると次のようになります。

等 | トウ   | 等分、等級、平等
  | ひとしい | 等しい

このように、「等」の読みは「ひとしい」と「トウ」しかありませんから、接尾語の「等」はすべて「トウ」と読むことになります。

でも、「トウ」というと堅苦しくなってしまうので「など」を用いたいことも多いですよね。その場合は「など」とひらがなを用いるようにしてください。

・資料等をご参照ください。(トウ)
・資料などをご参照ください。

・服装等は自由です。(トウ)
・服装などは自由です。

・災害等によりやむを得ない場合を除きます。(トウ)
・災害などによりやむを得ない場合を除きます。

助詞としての「など」をもう少し詳しく

「など」は、「そのほか」の意味だけではなくて、婉曲の表現になったり、否定の形を伴って、謙遜したり否定の意味を強めたりする場合もありますね。

・そろそろ朝食などはいかがでしょうか。
・私になど、とても務まりそうにありません。
・その体調で出勤するなどもってのほかです。

 

スポンサーリンク

「等」は「ら」とも読みません

「等」は「ら」とも読みませんので、「学生ら」のようにひらがなにします。また、接尾語の「等」は主に事物に用いるのに対して、「ら」は人に対して用いますので、「新任の先生等が挨拶をされました」ではなく「新任の先生らが挨拶をされました」にしてくださいね。

・日本の首相らが会談に臨んだ。
・受験生だけでなく、父母らが会場に詰めかけた。
・子どもらの歓声が響いた。

「鈴木さん等」と人に用いると失礼になっちゃうのね。

「等」と同じように用いられる「他」の扱いについて

「等」と同じように用いられるものに「他」という表記がありますよね。「他」もやはり「タ」とだけ読んで、「ほか」とは読まないんです。詳しくは「そのほか」について記載したページを参照してくださいね。
「その他」は「そのた」で、「そのほか」とは読まない訳は?
「他」と「外」を常用漢字表で確認してみましょう「その他」という表記はよく目にしますが、公用文の場合は「そのた」と読んでください。「そのた」一択です。「そのほか」とは読まないんですね。それはどうしてなんでしょうか。今回は「その他」に注目してみ...