はじめに

お子さんに通信教育の講座を受けさせたいけれども、どこがいいか判断できないという方は多いかもしれません。そもそも「通信講座を受けさせる必要なんてあるの?」とお考えの方もいらっしゃるのではないかと思います。
最近は、人生は勉強だけで決まるわけではないというように、親御さんの側にも価値観の変化が生まれているようです。それは私たち親世代のひとつの学びなのだと思います。
ただ、それは、勉強などしなくてもいいということではありませんよね。少なくても、子どもが持っている能力を最大限に伸ばしてあげたい、それが親としての責任だという自覚は変わらないのではないでしょうか。
経験則になってしまい恐縮ですが、特に小学生のうちは、通信講座を受けさせたから飛躍的に学力が上がったとか、受けなかったから極端に成績がふるわなかったとか、わが家の場合はそういうことはありませんでした。ただ、通信講座を受講することで学習の習慣が身についたり、「勉強ってチョロいな」とか「楽しいな」とか、そんな気持ちになってくれたなら、それだけですごいことなんですね。人間は好きなことならがんばれます。その「好きなこと」に勉強が加わったら最強です。
また、「しょせん親の安心を買っているだけなんじゃ?」という意見があるかもしれません。もちろんそういう側面も否定できないのではないかと思います。でも、親御さんの安心ほど大事なことはないんですね。少なくても私はこの要素が最も大きかったと思います。親御さんの態度が一貫しないとどっちつかずになってしまい、かえって子どもの勉強ぎらいを招いてしまう可能性があります。その意味でも、通信講座を受けさせてみる価値は十分にあるのではないでしょうか。
通信講座には特性と相性がある

能力に上下はありません。特性があるだけです。発達のしかたも一定ではないですよね。それは理解していても、わが子が難しい問題を解くことができたり、学年を先んじた内容が理解できると、舞い上がるほどうれしくなったりします。
でも、毎日しんどいことは続きません。難問に挑戦することが好きなお子さんは簡単すぎると興味がなくなるかもしれませんが、逆に、ゲームのようにパパッと感覚的に進めることに喜びを見いだすお子さんもいらっしゃいます。
その意味でも、お子さんに合った教材を見きわめることは大事なんですね。無料で試せる期間が用意されている場合もありますので、気になるものは積極的に活用してみてくださいね。
運営会社から読み解く教材の特性
Z会:文字から情報を得ることが得意なお子さん向け

Z会はとても歴史が古く、「増進会出版社」として戦前にスタートしています。「Z会」という名称は、「増進会」の愛称が正式な社名になったものです。Z会は難関大学の入試に強いことで知られていて、東大、京大をはじめとする難関大学合格に圧倒的な実績があります。
Z会は、『速読英単語』『速読英熟語』など、すぐれた参考書も多く出版していますので、大学受験のときにお世話になった親御さんも多いのではないでしょうか。近年は幼児教育にも力を入れていて、幼少期から大学受験まで高品質な教材を一貫して利用できますので、受験を意識しながら確実な学びをさせたいのであれば、ぜひ検討したい講座です。
認知のしかたにはお子さんによって異なっていて、視覚優位、言語優位、聴覚優位などさまざまですが、このうち文字や文章を図式化して思考する言語優位のお子さん、つまり、机に向かって学習するのが好きなお子さんなら、最大限にその効果を得られそうです。タブレットは専用のものですので集中できますし、タブレットで学習するか紙にするかを選べるのもよい点ですね。
進研ゼミ:バランスのとれた発達をしているお子さん向け

「進研ゼミ」を運営するベネッセコーポレーションは「福武書店」から出発していて、こちらも歴史ある会社です。「たまごクラブ」や「ひよこクラブ」、あるいは「こどもちゃれんじ」から継続している方もいらっしゃると思いますので、おなじみかもしれません。
「進研ゼミ」は学校で使うアプリ開発にも熱心ですので、現場の先生方にとっても強い味方です。つまり、それだけ学校の現場のことをとてもよくご存じの企業さんということになります。
このように現場の声を聞いているため、教材は学校の授業がきちんと理解できるように考えられています。「赤ペン先生」の個別指導も頼もしいですね。紙のテキストを中心に学ぶ「チャレンジ」と、タブレットと紙で学ぶ「チャレンジタッチ」から選ぶことができます。子どもの主体性を大事にしていますので、バランスのとれた発達をしているお子さんにぴったりです。
すらら:不登校、発達障害、帰国子女のお子さんの個性を伸ばす!

2008年に創業した「すららネット」が手がけている通信講座が「すらら」です。新しいだけに現代の子どもたちのニーズに応えたものになっていて、内容がとても柔軟です。「すらら」が採用している「無学年方式」は、これからの教育のトレンドになるのではないでしょうか。
得意と不得意は誰にでもありますが、「すらら」には学年の枠がありませんので、得意なものは先取りし、苦手なものはゆっくり進めていいんですね。実際、全国の学校や塾でも導入されていて、40万人の児童・生徒が利用しています。大人になると個性は最大の強みになりますが、子どものうちは苦労することが多いものです。そんなとき、「すらら」はきっと力強い味方になるはずです。
「すらら」はご家庭のパソコンかタブレットで学ぶシステムになっていて、小学生、中学生、高校生までをカバーします。もしもお子さんの不登校でお悩みでしたら、ぜひ導入を考えてみてください。家庭学習であっても出席扱いにできるんですね。ほかにも発達障害のお子さんや、日本の教育になじめていない帰国子女のお子さんたちも多く受講しています。サポート態勢も充実していますので、ひとりで悩まずに踏み出しましょう。
スマイルゼミ:大人が関わる時間が限られていても安心

「スマイルゼミ」はジャストシステムが運営する通信講座です。ジャストシステムといえば、真っ先に思い浮かぶのが、かな漢字変換ソフトの「ATOK」やワープロソフトの「一太郎」ではないでしょうか。また、数多くの学習支援ソフトを開発していることでも知られます。
このように日本のIT業界をリードしてきたノウハウが詰まった通信講座が「スマイルゼミ」なんですね。タブレットによる学習システムを最初に考えたのも同社です。
スマイルゼミは専用のタブレットを用います。自宅にあるデバイスを使いたいと思われるかもしれませんが、専用機ならではのよい点がたくさんあるんですね。例えばゲームをするときに、ゲーム専用機だと何倍も楽しいのと同じ、といったらわかりやすいでしょうか。英語やプログラミングも標準で配信されているのがうれしいですね。2週間の無料お試し期間もありますので、気になる方にはぜひ検討してみてくださいね。
スタディサプリ:低価格が魅力 手持ちのデバイスを活用できる

「スタディサプリ」はリクルートホールディングスが提供しているオンライン学習サービスです。リクルートは幅広く事業展開していて、「SUUMO」をはじめ、「ホットペッパーグルメ」「じゃらん」「ゼクシィ」など、誰でも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
魅力的なのは、なんといっても料金の安さです。例えば「小学講座」を12か月一括払いにすると、月あたり2,000円以下で利用できますし、しかも、手持ちのデバイスを利用できますので専用機を新たに購入する必要はありません。続くのかどうか心配な面もあるかもしれませんが、これなら安心ですよね。使い慣れているデバイスで学習できるということは、すき間時間を有効に活用できるということでもありますから、ちょっとした時間にゲーム感覚で学習に親しんでいくことができます。
「思い立ったが吉日」といいますが、学びたいタイミングを外しません。こちらも2週間の無料体験ができますので安心です。通信教育の教材費の負担が大きいとお悩みの場合でも、子どものために何かしてあげたいという親御さんの気持ちにきっと応えてくれますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ほかにもたくさんの通信講座がありますが、どれもこれもとご紹介すると、かえって迷うばかりですので、今回はそれぞれの持ち味が光っている講座をご紹介しました。
迷いはあるかもしれませんが、始める前は大いに悩んでも、開始したら教材を信じて一定期間は続けてみてください。また、自主性も大事ですが、「やりなさい」だけではなく、一緒に問題を解いてみたり、成長を認めてあげたり、親子のコミュニケーションにも利用してみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。よい教材にめぐりあえますように。



