舞妓さんになりたい人は絶対に見て!『舞妓さんちのまかないさん』

日本を知る日本のアニメ

はじめに

今、ジャポニズムが世界的なブームですが、日本といえば京都、京都といえば舞妓さんというほど舞妓さんは象徴的な存在です。外国人に人気なだけでなく、日本人にとってもあこがれの存在ですよね。「舞妓さんになりた~い!」と思ってらっしゃる方も多いのではないかと思います。

でも、どうやったら舞妓さんになれるのか、舞妓さんはどんなお仕事なのか、具体的なことは、地元の方でもなければよくわからないのではないでしょうか。知らないからこそアイドルのようにキラキラして見えたり、逆に偏見を持ってしまったりしがちです。

そんなときは、『舞妓さんちのまかないさん』を見るのがおすすめです。これを見るだけで、舞妓さんにはどうやったらなれるのかをざっくり把握できますし、どういう生活をしているのか、どんな厳しさがあるのかなど、本当にためになる情報が満載です。

この作品は小山愛子さんによる漫画が原作ですが、アニメの作品になっていて、Eテレで放映されていたのをご覧になったかもしれません。現在もアニメタイムズほか、Hulu、U-NEXTで配信されています。

また、実写版のドラマもあって、これがとてもいいんですね。アニメよりもコンパクトにまとまっているので、急ぐ場合はこちらがおすすめです。監督・演出・脚本を是枝裕和さんが手がけられ、三谷幸喜さんや坂東彌七さんがご本人役として出演されるなど、遊びごころもありながら、舞妓さんを取り巻く世界を真正面からが描いていてとても見応えがあります。こちらはNetflixで視聴できます。

舞妓さんになるには?

では、いったいどうやったら舞妓さんになれるのか、『舞妓さんちのまかないさん』の内容から探っていくことにしましょう。

高校には行かないことが多い

登場するのは、青森に住む2人の少女、キヨとすみれです。彼女たちがふるさとを去って京都に向かうところからお話が始まりますが、まだ中学を卒業したばかりで、高校に行かずに舞妓さんになるために親元を離れるんですね。

このことは、もしも舞妓さんや芸妓さんとして一人前になれなければ、中卒の学歴で社会に出なければならないことを意味しています。もちろん、いつでも学び直しは可能だとしても、相当な覚悟だということがわかります。

屋形(置屋)に住み込みで働く

2人が向かった先は、舞妓さんになりたい人を住まわせて面倒を見てくれる「屋形」でした。もちろん、すぐに舞妓さんになれるわけではありません。見習い期間は「仕込みさん」として、芸事の練習をしたり、先輩の舞妓さんのお世話をしたり、屋形の雑用をこなしたりしながら生活します。こうした集団生活に適応できるかどうかもポイントですね。「屋形」は「置屋」ともいいます。

ちなみに、屋形によっては携帯電話などの使用が禁じられていることもあるようです。作品が描かれた頃と現在とでは少し事情が異なるかもしれませんが、いずれにしても、まるで合宿のような生活が毎日続きますから、このあたりも、乗り越えられる人とそうでない人に分かれてしまいそうです。

伝統芸能としての芸を学ぶ

舞妓さんはたくさんの芸を習得しなければなりません。作品中には、舞のお稽古のシーンが多く出てきますが、ほかに三味線や長唄、華道や茶道などもお稽古するようです。習い事の費用は屋形が負担しますので、一人前になってくれなければ大赤字となってしまいます。それで、向いていないと判断されれば、「お止め」といって、それ以上はお稽古させずに里へ帰されてしまいます。

主人公のキヨがまさにこれで、舞のセンスがなかったため「お止め」になりました。芸事というのは何でも厳しいものですが、自分でいくら頑張りたくても、ノーといわれてしまうこともあるんですね。逆に、すみれはたぐいまれなる舞の素質があり、「百年に一度の逸材」と期待されます。

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「舞妓さん」は「研修医」のようなもの

「舞妓さん」というのは職業ではなくて、芸妓さんになる前の段階のことをいいます。つまり、「芸妓さん」と「舞妓さん」の関係は、「医師」と「研修医」のようなものなんですね。ということは、「舞妓さんになりたい」というのは「研修医になりたい」と言っているようなものですから、本当はおかしいのですが、一人前になる前の初々しい姿が好まれるのだと思います。

「仕込みさん」で修行して、「舞妓さん」で実地研修をして、二十歳ぐらいから一人前の「芸妓さん」になりますが、屋形で共同生活をするのは「舞妓さん」までです。「芸妓さん」になるとようやく屋形を出て自立します。ということは、だいたい5年間ほどは共同生活を送るんですね。

舞妓さんと芸妓さんはどう違う?

「舞妓さん」と「芸妓さん」の大きな違いは、まずは髪です。芸妓さんはかつらを使用しますが、舞妓さんは自分の髪を結いますので、毎日シャンプーすることはできません。また、髪型が乱れないように箱枕という固くて四角い枕を使うので熟睡も難しそうです。こんなところにも見えない苦労があるんですね。

また、帯の結び方にも違いがあって、舞妓さんは「だらりの帯」といって帯を垂らしますが、芸妓さんはお太鼓に結びますので、帯を見れば舞妓さんなのか芸妓さんなのかがわかります。

「まかないさん」という仕事

キヨは、舞妓さんには向いていないため青森に帰されそうになりますが、ひょんなきっかけで「まかないさん」になります。まかないさんになったキヨは本当に毎日が楽しそうで、水を得た魚のようでした。「まかないさん」というのは屋形の人たちのごはんを作る仕事をする人です。華やかさはありませんが、とても大事な仕事です。

キヨは青森にいた頃からおばあちゃんのお手伝いをよくしていたので、お料理が得意なんですね。屋形のみんなもキヨの作るごはんが大好きです。京都に出てきたかいがありました。

偏見とどう向き合うか

「舞妓さん」や「芸妓さん」に対する世間のイメージはさまざまです。その姿にあこがれる人、芸のすばらしさに惹かれる人もいれば、水商売として偏見の目を向ける人もいるかもしれません。仮に偏見はなかったとしても、わが子が舞妓さんになりたいといったら、歓迎する親御さんはむしろ少ないのではないでしょうか。

すみれの父親も反対の立場でした。しかも、すみれのお父さんはお医者さんですから、その落胆ぶりはどれほどだったことでしょう。もちろん、反対するのは娘を思ってのことですが、連れ戻して娘が幸せになれるかといえば、そうではないことを考えると、親としても覚悟を決める必要がありそうです。

「一見さんお断り」というのは、よからぬ客から舞妓さんや芸妓さんを守るためのものだそうです。逆にいえば、「一見さんお断り」にしなければならない事情があるということですね。このように、世間の目はさまざまだということを理解して、それでもなりたいかどうかを自分に問うてみる必要がありそうです。

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まとめ

『舞妓さんちのまかないさん』を見ると、舞妓さんにはどうやったらなれるのか、どんな生活をしているのか、どんなところが大変で、どんなところが魅力なのかをざっくりと把握できるので、情報集めの第一歩としてもとてもよい作品だと思います。

でも、そればかりではありません。舞妓さんや芸妓さんのことを理解することは、日本の伝統芸能を理解することでもありますから、教養としてもぜひご覧になってみてくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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