「かもしれない/かも知れない」のどっち?「数知れない/計り知れない」は?

表記の決まりごと

はじめに

「~かもしれない」という表現は本当によく用いますよね。でも、「かも知れない」と「かもしれない」の両方の表記を見かけるので、どっちが正しいのか迷ったりしたことはないでしょうか。

「知れない」というのは「知れる」の活用形ですから「知れない」と漢字で書くような気がしてしまいますが、公用文をはじめ、新聞表記などのマスコミ表記では「~しれない」とひらがなで書くように示しているんですね。それはいったいなぜなのでしょうか。

また、「かもしれない」だけではなく、「数知れない」「計り知れない」「気が知れない」など、「○○知れない」という表現はほかにもありますが、これはどのように表記すればいいのでしょうか。

今回は「かもしれない」の扱いについて探っていきたいと思います。

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「かもしれない」は「かもしれない」とひらがなで書く

「かもしれない」は、「かも知れない」ではなく「かもしれない」と、すべてひらがなで表記します。どうしてかというと、国から示された「公用文における漢字使用について」という文書において、「かもしれない」とひらがなで書くように示されているためです。そして、新聞表記や議事録表記、そしてNHKの表記でも、それに従っているんですね。

【参考】「公用文における漢字使用について」より抜粋
次のような語句を,( )の中に示した例のように用いるときは,原則として,仮名で書く。
 ・・・かもしれない(間違いかもしれない。)
 ・・・てあげる(図書を貸してあげる。)
 ・・・ていく(負担が増えていく。)
 ・・・ていただく(報告していただく。)
 ・・・ておく(通知しておく。)
 ・・・てください(問題点を話してください。)
 ・・・てくる(寒くなってくる。)
 ・・・てしまう(書いてしまう。)
 ・・・てみる(見てみる。)
 ・・・てよい(連絡してよい。)
 ・・・にすぎない(調査だけにすぎない。)
 ・・・について(これについて考慮する。)

「かもしれない」とはどんな意味?

「かもしれない」とは、「断定はできませんが可能性はあります」という意味で用います。また、相手の発言を半分は認めながらも、違う面を主張する場合に、「そうだとしても」の意味で用いることもあります。

可能性がある
・時が解決してくれるかもしれない。
・今度の連休は雨になるかもしれない。
・私にとっては幸運なことかもしれない。

そうだとしても
・確かに高いかもしれないが、それだけの価値がある。
・彼は賢いかもしれないが、ルーズなところがあある。
・失敗するかもしれませんが、やるしかないでしょう。

このように、「かもしれない」は、いろいろな語にくっついて、断定はできないけれども可能性がある場合に用いたり、同意しながらも別の意見を述べる場合に用います。

「かもしれない」ってとっても便利な言い方よね。

また、「かもしれない」のうち、「しれない」を省いて「かも」で切ることもありますが、そうすると、かなりくだけた口語表現になります。

「かも」で止める例
・時が解決してくれるかも。
・今度の連休は雨になるかも。
・私にとっては幸運なことかもね。

「かもしれない」は文法的にはどうなってるの?

「かもしれない」は、文法的には、終助詞の「か」に終助詞「も」が付いて、「知れる」の未然形に打ち消しの助動詞「ない」がくっついたものです。

ただ、これは「かもしれない」という連語なんです。連語というのは、合体しているけれども、意味としては一つの語としてみなすものですよね。つまり、「かも+知れない」ではなく「かもしれない」という語として扱うことになります。それで全体を「かもしれない」にするというわけです。

「数知れない/計り知れない/気が知れない」の扱いは?

前述したように、国の指針として「かもしれない」はひらがなで書くように示されていますが、これは、前の語の「かも」がひらがなであることに加えて、「知れる」の意味が薄れてしまって補助的に使われているためです。

似たような語に「数知れない」「計り知れない」「気が知れない」などがありますが、これらは、前の語が漢字ですし、「知れる」の意味が残っていますので漢字で書くことになります。こちらは連語ではなく慣用句になるでしょうか。

「かもしれない」と「とんでもない」の違い

「かもしれない」は連語ですが、もともとは「かも+しれない」というように複数の語が合成さたものですので、ドッキングした部分を一部変更して「かもわからない」とか「かもしれません」に変更も可能です。

一方で、「とんでもない」は「とんでも+ない」ではなく、「とんでもない」という形容詞です。ですから、「とんでもない」自体は変更できませんので、「とんでもございません」とは言えないんですね。それで、丁寧に言いたい場合は「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」になるというわけです。

「とんでもございません」って丁寧な言い方なのかと思ってた。

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おわりに

今回は、「かもしれない」はどうしてひらがなにするのか、「数知れない」や「計り知れない」はどう表記すればいいのかについてまとめてみました。

世の中に「かもしれない」はあふれています。「絶対」というのはないのですから当然ですよね。「かもしれない」の反対語は「ありえない」でしょうか。でも、人生のうちに1度くらいは、「鴨がねぎをしょってくる」場面に遭遇したいものです。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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