「かもしれない」は「かもしれない」とひらがなにします
「かもしれない」という表現はよく使いますよね。これは、「かも知れない」ではなく「かもしれない」と、すべてひらがなで表記します。
・時が解決してくれるかもしれない。
・今度の連休は雨になるかもしれない。
・これは私にとっては幸運なことかもしれない。
「かもしれない」は、いろいろな語にくっついて、断定はできないけれども可能性がある場合に用います。短く「かも」で切ることもありますが、そうするとくだけた口語表現になります。
・時が解決してくれるかも。
・今度の連休は雨になるかも。
・これは私にとっては幸運なことかも。
「かもしれない」をもう少し詳しく
「かもしれない」は、文法的には、終助詞の「か」に終助詞「も」が付いて、動詞の「知る」の未然形に打ち消しの助動詞「ない」がくっついたものです。つまり、「かも+しれない」という連語なんですね。
連語ですから「かも知れない」とも書けそうですが、公用文においては「公用文における漢字使用について」という文書で、「かもしれない」とひらがなで書くように示しています。これは、前の語がひらがなであることに加えて、「知れる」の意味が薄れてしまって補助的に使われていることからそのように扱うことにしています。「知れる」の意味が残っている「数知れない」「計り知れない」などは漢字で書いてくださいね。
「かもしれない」と「とんでもない」の違い
前述したように、「かもしれない」は連語で、「かも+しれない」というように、複数の語が合成されてできています。ですから、ドッキングした部分を一部変更して「かもわからない」とか「かもしれません」に変更も可能です。
一方で、「とんでもない」は「とんでも+ない」ではなく、「とんでもない」という形容詞なので、「とんでもない」自体は変更できません。そのため「とんでもございません」とは言えないんです。このため、丁寧に言いたい場合は「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」になるというわけです。
「かも」つながりで「カモネギ」のこと
「かも」つながりで「かも」の話題です。だましたり利用したりする対象のことを「カモ」といいますよね。「あいつはいいカモだぜ」なんてドラマやアニメによく出てきます。もちろんこれは鳥の「鴨」が由来です。どうしてカモなのかというと、昔はノガモがよく狩猟の標的にされたためだそうです。
また、ポケモンのキャラクターに「カモネギ」がいるのはご存じだと思います。見た目もそのままカモがネギをしょっていますよね。カモネギはもちろん日本語の慣用句「鴨(かも)が葱(ねぎ)をしょってくる」に由来しています。
「鴨が葱をしょってくる」の意味は、食材のカモがネギまでしょってきたので、すぐに料理して鴨鍋が食べられる、つまり、「こんなに好都合なことはない」という意味になります。
これは日本国内でしか通用しない意味ですから、それがどんなふうに訳されているのか気になりますよね。調べてみたら、ポケモンのカモネギは英語で「Farfetch’d」だそうです。「Farfetch’d」は、「ありそうもない」という意味ですから、カモネギは、いわば「ありえないヤツ」と訳されていたんです。ウィットに富むおもしろい名前ですよね。

カモネギはわかるけど、ポケモンのキャラクターが増えすぎて覚えられないよ。