「(サイレント)マジョリティー」「(ノイジー)マイノリティー」とは?

お昼寝をするクマのイラスト なりきり知識人

「マジョリティー」と「マイノリティー」

日頃から頻繁に耳にする「マジョリティー」と「マイノリティー」ですが、マジョリティーが多数派、マイノリティーが少数派です。

「マジョリティー」は「多数者・多数派」 英語表記は「majority」
「マイノリティー」は「少数者・少数派」 英語表記は「minority」

ただ、日本においては、マイノリティーを社会的弱者、いわゆる「社会的マイノリティー」の意味で用いることが多いので、そこは留意してくださいね。単に少数派のことを言いたければ「マイノリティー」を用いずに、そのまま「少数派」とか「少数意見」としたほうが誤解がないかもしれません。

「サイレントマジョリティー」と「ノイジーマイノリティー」

サイレントマジョリティー」という言葉があります。サイレントは「静かな」、マジョリティーは「多数派」ですから、文字どおり「静かな大衆」のことです。大多数の人は、心の中で思っていたとしても積極的な言動はしないので、「もの言わぬ多数派」などとも呼ばれます。日本ではとても多いかもしれませんね。

対義語は「ノイジーマイノリティー」です。ノイジーは「うるさい」、マイノリティーは「少数派」ですから、「声だけ大きい少数派」と訳されます。もちろん少数派の意見も尊重されなければなりませんが、一部の目立つ人だけの意見に振り回されると向かうべき方向性から外れてしまうことがあるため、このような言い方をされるんですね。

「サイレントマジョリティー」と「ノイジーマイノリティー」はそのままの意味だから覚えやすいね。

「マイノリティーインフルエンス」とは?

民主的な社会においては、みんなのことはみんなで決めていきますから、多数派の意見が通るのは必然となってしまいます。でも、それで諦めなければならないかというと、そうではありません。少数派の人たちが信念を持って訴えると、多数派にそれが伝わって影響を及ぼすことがあります。これが「マイノリティーインフルエンス」です。インフルエンスとは「影響力」のことですね。

少数派の普通の一般人であっても、根気よく意見を言い続けると、「そこまで言うなら、とりあえずやってみようか」と合意を得られたり、有名な人や実力者が提案することで、「あの人が言うんだからいいんじゃない?」とみんな賛成したりということが起こります。それぞれ「下からの革新」「上からの革新」とも表現されます。

「少数精鋭」と「烏合の衆」はどっちが強い?

数の力というのは圧倒的ですし、数が少ないことはやはり不利なことが多いですが、それを覆すことも可能です。そこで、人数に関係する表現を集めてみました。

「多勢に無勢」とは?

「多勢(たぜい)に無勢(ぶぜい)」とは、「少ない人数で大勢を相手にしても、とてもかなわない」という意味です。「勢いが多い」と「勢いが無い」で、それぞれ人数の多寡を示しています。

「寡をもって大衆を制す」とは

「寡(か)をもって大衆を制す」は、少数の人たちが大勢の人を相手に勝利することです。「寡」は少ないことですね。

「少数精鋭」とは?

少数精鋭(しょうすうせいえい)とは、数は少ないけれどもえり抜きの人たちであることです。「少数精鋭部隊」や「少数精鋭で臨む」などと用います。

「烏合の衆」とは?

「烏合(うごう)の衆」とは、まるで烏(からす)が集まっているかのように、人数はいるけれども統制がとれていない集団のことです。数はいるけれども恐れるほどではない場合や、役に立たない集団といった場合に用いられます。

「烏合の衆」でも「少数精鋭」でもなく、「大勢の精鋭」なら最強そうね。