「さようなら」は接続詞だった!|日本語の「さようなら」と外国語の「さようなら」はどう違う?

なりきり知識人

はじめに

別れのあいさつというと「さようなら」ですが、実際には「さようなら」はあまり用いないですよね。「じゃあね」とか「バイバイ」とか「またね」を使うほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。職場なら「お先に失礼します」が定番です。

小学校時代は「先生さようなら。みなさんさようなら。」と帰りの会のあとに唱和していたものの、大人になるにしたがってだんだん使わなくなっているように思います。

もしかすると、小説や映画や歌謡曲では「さようなら」が決まって悲しい意味を表したため、「さようなら」の意味が上書きされて重量感が増してしまっているのかもしれません。下手に使おうものなら周囲から心配されてしまいそうなくらい、「さようなら」は私たちの生活から遠ざかってしまいました。

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「さようなら」は接続詞だった

でも、「さようなら」はもともと単なる接続詞でしたので、「じゃあ」とほぼ同じ意味なんです。

日本語のあいさつは後半を省略する形がとても多いですよね。「おはようございます」は「お早いことですね。どちらに行かれるのでしょうか?」というように言葉を交わした最初の部分ですし、「こんにちは」は「こんにち(今日)はお天気がいいですね」、「こんばんは」なら「今晩は寒いですね」などと続きがあったものが、だんだんと後半が省略されていったものです。

「さようなら」は「さようならば、これにて失礼いたします」などと続く冒頭の部分です。つまり、「さようなら」は「それでは」や「じゃあ」と同じ意味なんですね。ですから、「それでは」や「じゃあ」があいさつとして機能しているのは、とても自然なことなんですね。

「さよう」とはどんな意味?

「さよう」は漢字で書けば「左様(然様)」で、前の事柄を指して「そのとおり」という意味です。ちょっと改まった言い方ですが、「さようでございます」はビジネスではよく使うのではないでしょうか。

退勤の際は「失礼します」が一般的ですが、これは「さようならば失礼いたします」の後半部分が残ったものだと考えられます。ビジネスの場では、接続詞よりもその後の「礼を失する(立ち去る)」という報告が重視されたのかもしれません。

世界の「さようなら」はどんな意味?

○英語は「Goodbye(グッドバイ)」

英語の「さようなら」は「Goodbye(グッドバイ)です。これは「God be with ye(神があなたと共にありますように)」の省略形で、相手への祈りが込められたあいさつです。

○イタリア語は「Ciao(チャオ)」

イタリア語の「さようなら」は「Ciao(チャオ)」です。これは「いつでもあなたのお役に立ちますよ」という意味で、「さようなら」だけではなく「こんにちは」という意味でも用います。

○中国語は再見(ザイジエン)

中国語の「さようなら」は再見(ザイジエン)で、これは漢字の意味からもわかるように「また会いましょう」という意味ですね。

ドイツ語は「Auf Wiedersehen(アウフ・ヴィーダーゼーエン)」

ドイツ語の「さようなら」は「Auf Wiedersehen(アウフ・ヴィーダーゼーエン)」で、これも中国語と同じように「また会いましょう」という意味です。

フランス語は「Adieu(アデュー)」と「Au revoir(オ・ルヴォワール)」

フランス語の「さようなら」は2種類あります。「Adieu(アデュー)」は「次に会うのは神の御前で」という意味ですから、「この世ではもう会うことがないでしょう」という今生の別れで使います。一方、日常的な「またね」は「Au revoir(オ・ルヴォワール)」で、この2種類をシチュエーションによって分けます。

これは、日本語において「さようなら」と「じゃあね」を使い分けている感覚と最も近いのではないかと思います。

あとがき

こうして紐解いてみても、「さようなら」は「じゃあね」と同じくらい軽やかな表現で、話を一段落させて別れる際に用いられていたことがわかります。ですから、「永遠の別れ」のようなイメージで敬遠してしまうのは少しもったいない気もしますよね。

「さようなら」は「さよなら」と短い形でも用いますし、響きも美しいあいさつだと思いますので、ときには親しみを込めて「さようなら」を使ってみることで、「さようなら」というあいさつを、もう一度、私たちの日常に再び呼び戻すことができるのかもしれません。

最後まで読んでくださってありがとうございました!

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