はじめに
「更生」と「更正」は、読みが同じ「こうせい」なだけでなく、画数も5画ですし、見た目もとても似ているので、うっかりすると間違えやすい同音異義語です。ただし、意味は全く異なりますので、それぞれどういう場面で用いられるのか、ここでしっかり確認してきたいと思います。
ついでに「厚生」についてもチェックしておきましょう。よく耳にしますが、意味がはっきりしませんよね。今回は、「更生/更正/厚生」の意味と使い方をまとめてみたいと思います。最後まで読むと、きっと迷いがなくなるはずですよ。
「更生」の意味と使い方
「更生」とは、人が立ち直ったりやり直したりして、もとのよい状態に戻すことをいいます。悪の道から抜けてやり直したり、乱れた生活から立ち直ったりする場合には「更生」です。
悪い人はつい正したくなるので「正」と書きたくなってしまうため、注意が必要です。やり直すほうは「生」です。よく、ドラマなどで「生まれ変わったつもりでやり直しなさい」などと諭すシーンを見かけますが、あれがまさに「更生」です。
また、会社更生法という法律がありますが、これは経営破綻した企業を、潰さずに再建させるための法律です。会社は法人格といって人格扱いになるために「更生」を用いるんですね。
(「更生」の用例)
・しっかり更生してやり直しなさい。
・若いのでこれからの更生に期待します。
・彼は長い努力の末、社会復帰して更生した。
・更生を支援する施設で生活している。
・犯罪者の更生には周囲の理解が欠かせない。
・会社の再建を目指し会社更生法の適用を申請した。
【補足】
かつてはリサイクル品のことを「更生品」と呼んでいましたし、今でも一部で用いられていますが、現在ではモノには「再生」が使われることが多くなってきています。
「更正」の意味と使い方
「更正」は、税の申告や登記などに誤りがあったときに、税務署や登記官などの行政側が誤りを正すことをいいます。
納税者自身が気づいた場合、税額が少なすぎたら「修正申告」、税額を払いすぎたので戻してほしい場合には「更正の請求」を行います。一方、税務署や登記官が自ら誤りに気づいたり、請求を受けた場合には「更正」が行われます。
「厚生」の意味と使い方
「厚生」とは「人間の生活を健康で豊かにすること」です。「厚」の字には「心遣いが深い」という意味がありますので、「生活をより豊かにするための心遣い」、いわば「サポート」が「厚生」なんですね。
「福利厚生」の形でよく用いますが、「福利」とは「幸福と利益」のことですから、「福利厚生」だと「幸福と利益をもたらすサポート」というようなニュアンスでしょうか。会社などの組織では給与とは別枠で設けられています。
(「厚生」の用例)
・福利厚生が充実している会社に就職したい。
・従業員の厚生を重視した経営方針だ。
・厚生施設として保養所が用意されている。
・厚生年金に加入している。
・厚生労働に関する政策が議論されている。
まとめ
今回は、似ているようで全く違う「更生」「更正」「厚生」の使い分けをまとめてみました。最後に、迷ったときに思い出せる「キーワード」で整理しておきましょう。
更生:「生」まれ変わる(立ち直り)
更正:「正」しく直す(誤りの修正)
厚生:生活を「厚」くする(豊かな生活)
パソコンやスマホで「こうせい」と打ち込んだとき、変換候補を見て「あれ?」と思ったら、ぜひ、漢字一字のイメージを思い出してみてくださいね。
最後まで読んでくださってありがとうございました!




