はじめに
「はる」には「張る」と「貼る」の2つの漢字があって、どちらも日常的によく使いますよね。でも、いざ文章を書くとなると、「これってどっちだっけ?」と迷うことはないでしょうか。
簡単にいえば、たるんでいたものをピンと引っ張っるのが「張る」で、裏面をぺたっとくっつけるのが「貼る」になります。
・「張る」→たるんでいたものをピンと引っ張る
・「貼る」→裏面をぺたっとくっつける
でも、最近は、IT用語として、コピー&ペーストやハイパーリンクなどを用いる場面が多くなりましたが、これらは「張る」なのか「貼る」なのか判断に迷うところです。
今回は、「張る」と「貼る」の意味の違いと使い方について、IT分野の運用にも触れながら、詳しく解説していきたいと思います。
「張る」の意味と使い方
①「張る」は線状や膜状のものをピンと引っ張って伸ばすという意味で使います。
・テントを張る
・網を張る
・氷が張る
・根を張る
・ロープを張る
・くもの巣が張る
②また、「張る」は、平たいものを取り付ける場合にも使われます。
・障子を張る
・ふすまを張る
・ポスターを張る
・壁紙を張る
・畳を張り替える
・タイルを張る
③「ピンと張る」というイメージから、慣用句としても多く用いられます。
・気を張る
・神経を張りつめる
・虚勢を張る
・意地を張る
・声を張る
・アンテナを張る
「貼る」の意味と使い方
一方、「貼る」は、接着そのものに重点があって、のりなどを使ってぺたっとくっつける場合に用います。裏面全体を接着するので比較的小さなものが多いのが特徴です。
(「貼る」の用例)
・切手を貼る
・シールを貼る
・ばんそうこうを貼る
・ラベルを貼る
・付箋を貼る
・写真を履歴書に貼る
・ステッカーを貼る
・値札を貼る
○補足① ポスターは「張る」なのか、「貼る」なのか
ポスターの場合は、広げて掲示するものなので、一般には「張る」を使いますが、もしも、裏面にのりをべったりつけて剥がれないようにするという意味で用いるなら「貼る」にします。
○補足② 障子やふすまは、なぜ「張る」なのか
障子やふすまは裏面に「のり」を使いますが、比較的広い面積に広げることから、接着するよりも「広げる」という意味を重視して「張る」を用います。タイルも同様に広い面積に張っていくため「張る」にします。
IT用語の「貼る」と「張る」について
現代は、パソコンやスマートフォンで電子データを貼り付けることが多くなりましたが、どちらなのか迷ったら、「動作(貼る)」なのか「機能(張る)」なのかで判断してみてくださいね。
では、使い分けの用例を詳しく見ていきましょう。
コピー&ペーストは「貼る」にします
私たちは日常的にパソコンやスマートフォンで電子データを貼り付けていますよね。テキストを貼り付けたり、画像を貼ったり、コピーして貼り付けたりする場合は「貼る」を用います。
これはコピー&ペーストに対応した言い方で、「ペースト」とは「のり状のもので貼る」という意味だからなんです。もちろん、ITの作業では実際に「のり」は使いませんが、ペーストするという意味なら「貼る」を使ってくださいね。
・画像をブログに貼る
・SNSにスクショを貼る
・メール本文に参考サイトのURLを貼る
・コードをエディタに貼り付ける
・スクリーンショットを文書に貼る
・Excelの表をパワーポイントに貼り付ける
・チャット欄に参考テキストをコピーして貼る
リンクは「張る」にします
インターネット上では、サイトにリンクを張って、すぐにそこに移動できたりしますよね。これを「ハイパーリンク」、または単に「リンク」といいますが、リンクは「張る」を用います。
「張る」とは網を張ったり糸を張ったりすることですが、リンクも同じようにネットワークをクモの巣のように張りめぐらすことだからです。
新聞表記(共同通信)の『記者ハンドブック』でも、「リンクを張る」を用例として挙げています。
ただ、リンクを張ることをURLを貼り付けることの同義として使われることもありますよね。実際、ネット上の文章を見ていると「リンクを貼る」も多く用いられていますので、「リンクを貼る」が誤りということではなさそうです。機能としての「張る」なのか、操作としての「貼る」なのかで判断してみてくださいね。
・Webサイトにリンクを張る
・アンカーテキストを張る
・内部リンクを張り巡らせる
・サイドバーにバナー広告のリンクを張る
・SNSのプロフィール欄にブログのリンクを張る
・お互いのサイトで「相互リンク」を張る
「貼付」は「ちょうふ」なの? 「てんぷ」なの?
「貼り付ける」ことを「貼付」といいますが、これは正式には「ちょうふ」と読みます。ただし、慣用読みとして「てんぷ」も認められていて、実際に辞書にも両方の読みが載っています。
「慣用読み」とは、「みんなが使っているので、その読み方も認めますね」という読み方のことです。ですから「てんぷ」と読んでも誤りではありませんが、あくまで「ちょうふ」が本来の読み方です。
「てんぷ」というと、メール添付の「添付」と混同しやすいですので、「貼付」は「ちょうふ」と読んだほうが違いが明確になりますね。
添付:一緒に添えること
貼付:貼り付けること
まとめ
今回は「張る」と「貼る」の使い分けについて解説しました。
張る:ピンと広げたりネットワークを結ぶこと(暗幕やリンクなど)
貼る:のりなどでで接着すること(切手やコピペなど)
特に迷いやすいIT用語では、「リンクという機能のことなら『張る』」「URLをコピペして置くなら『貼る』」と覚えておくとスッキリしますね。
ブログやメール、SNSの発信などで役立てていただけたらうれしいです。最後まで読んでくださってありがとうございました!





