はじめに
「ふく」というと、ほとんど「吹く」を当てはめることが多いと思います。「風が吹く」とか、「口笛を吹く」とか、「ろうそくの火を吹き消す」などと使いますよね。
でも、ふくには「噴く」もありますよね。例えば、「火を噴く」とか、「クジラが潮を噴く」とか、炭酸飲料のペットボトルから中身があふれてしまうのも「噴く」です。
こんなふうに、「吹く」は主に空気の流れに用いるのに対して、「噴く」は中身が勢いよく外に飛び出る場合に使いますが、ほかに特別な使い方もあります。
今回は「吹く」と「噴く」の違いと使い方について、豊富な用例で丁寧に解説していきたいと思います。
「吹く」の意味と使い方
「吹く」は一般語なので多様な意味で用います。主に空気が動くことに使われますが、口から息を出すことや、一面に出現することのほか、比喩表現としても用います。
①空気が流れ動く
・そよ風が吹く
・木枯らしが吹く
・嵐が吹き荒れる
・海から冷たい風が吹いてきた
・夕方になると涼しい風が吹く
②口から息を出す
・シャボン玉を吹く
・ろうそくの火を吹き消す
・熱いスープを吹いて冷ます
・口笛がうまく吹けません。
・ハーモニカを吹いてみてください。
③その他
(一面に現れる)
・草木が芽吹いてきた
・まるで粉を吹いたような肌だ
・一面にさびが吹いてしまった
(特別な使い方)
・彼は大ぼら吹きだ
・作品に魂を吹き込んだ
・一泡吹かせてやりたい
・社内に新しい風を吹かせよう
「噴く」の意味と使い方
一方、「噴く」は液体や火や煙が勢いよく飛び出すことを表します。圧力がかかって勢いよく外に飛び出てくるイメージですね。多くは止めようにも止められない場合に用います。また、あふれる気持ちが止められないことの比喩表現としても用います。
①液体や気体や火などが勢いよく出る
・火山が火を噴いた
・血が噴き出した
・クジラが潮を噴く
・消火栓から水が噴き上がった
・炭酸飲料を振ったら中身が噴いた
・エンジンから炎が噴き出した
・煙突から煙が勢いよく噴いている
②感情が一気にあふれる(比喩)
・感情が一気に噴き出した
・我慢していた涙が噴き出した
・不満が噴出した
・怒りが噴き出した
・笑いが噴き出す
火は「吹く」?「噴く」?
「火をふく」というときにはどちらもあります。「火を吹く」なら口から火を出すことなので、ドラゴンや怪獣でしょうか。
一方、「火を噴く」ものは火山でなどですね。車のエンジンが火を噴くこともあるので、注意してくださいね。
火を吹く→ゴジラ、ドラゴン(口から出すイメージ)
火を噴く→火山、過熱したエンジン(勢いよく噴出)
汗は「吹く」?「噴く」?
暑くて汗が止まらない場合は「汗が噴く」を使うのが一般的です。なぜなら、毛穴から汗が押し出されてしまうためです。
ただし、タオルで汗をぬぐう場合は、もちろん「拭く」ですね。
汗が噴く(止まらないほど出る)
汗を拭く(タオルなどでぬぐう)
噴飯(ふんぱん)ってどんな意味?
漫画のセリフを囲む枠は「吹き出し」といいますよね。これを動詞の「吹き出す」にすると、思わず「ぷっ」と笑ってしまうという意味になります。
では、「噴飯(ふんぱん)」という表現は聞いたことがあるでしょうか。
「噴飯」とは、あまりのおかしさやばかばかしさに、食べていた飯を思わず噴き出してしまうことなんですね。現在では、「あきれて失笑する」ような少しネガティブな意味で使われることが多いようです。
(「噴飯」の用例)
・見え透いたうそに、思わず噴飯した。
・会議の席での部長の冗談に、一同は噴飯した。
・この無理な計画は、噴飯ものだと言われてもしかたない。
ちなみに、「噴飯」は「笑う」ことで、「憤慨」は「怒る」ことなので、意味を取り違えないように注意してみてくださいね。
まとめ
今回は「吹く」と「噴く」の使い分けを用例を中心にまとめてみました。「吹く」と「噴く」は同じ読みでも、動きのイメージが大きく違います。
「吹く」=風や息が流れる
「噴く」=内部から勢いよく飛び出す
こんなふうにイメージで覚えると使い分けがしやすいのではないかと思います。「ふく」というときには、「空気の流れ」なのか「圧力を伴う噴出」なのかを意識してみてくださいね。
参考になったら幸いです。最後まで読んでくださってありがとうございました!





