はじめに
「ため口」というのはよく言ったり聞いたりするかもしれません。「目上の人に対して対等な口をきいたり、敬語を使わずに、同じ年のようになれなれしく話すこと」ですね。
ため口(タメ口)=同じ年のようになれなれしく話すこと
「敬語じゃなくてため口でいいよ」とか、「校長先生にため口をきくんじゃありません」などと使います。「タメ口」とカタカナのほうが好まれるようです。
・敬語じゃなくてタメ口でいいよ。
・校長先生にタメ口をきくんじゃありません。
「ため口」の「ため」は博打(ばくち)の用語です
でも、どうしてなれなれしい言葉遣いが「ため口」なのでしょうか。そもそも「ため」って何のことか不思議に思いませんか?
ため = ぞろ目(対等/ 同じ)
一説によると、これは博打(ばくち)から生まれた言葉で、2つのサイコロが同じ目になること、つまり、「ぞろ目」のことを「ため」と言っていたそうです。ぞろ目は「五分五分」のことですから、そこから転じて「対等」という意味になっり、さらには「同じ」という意味になったんですね。
「ため(タメ)」とは「同い年」のことです
「ため口」以外にも、「ため」だけで使われることもあります。これは「同い年」のことですね。相手の年齢を聞いて、「タメじゃん! どこの学校?」などと会話したりします。
ぞろ目というのはどことなくラッキーな感覚を抱くものですが、そんな偶然の一致に特別感を抱いたものと考えられます。
A:年はいくつ?
B:17だよ。
A:おっ、タメじゃん。仲よくしようよ。
B:タメだったんだ。年上かと思ってた。
昭和の若者が使った言葉が広まった
「ため」が「同い年」という意味で使われるようになったのは比較的新しく、『日本俗語大辞典』によると、1960年代に不良少年の隠語として使用されていたものが、70年代後半から一般の若者も使うようになり、80年代に広く若者語として定着したそうです。
「ため」はまだ俗語の扱いですが、今は一定程度の市民権を得ているように思います。昭和の若者が生み出した言葉ということですが、若者ことばが定着したというと、今でいえば「推し活」などもそうかもしれませんね。


