はじめに
『笠地蔵』という昔ばなしを覚えていますか?おじいさんがお地蔵さまに笠をかぶせてあげて、1つ足りなかったので、自分がほうかむりしていた手ぬぐいをかぶせてあげたというお話です。
では、「笠地蔵」に出てくるお地蔵さまは何体だったでしょうか。――答えは「6体」です。実はこの6体という数字が重要な意味を持つんですね。
仏教においては、人間は死んでしまうと、生前の行いに応じて「六道(りくどう)」という6つの世界のどれかかに生まれ変わるとされています。未知の世界ですし、とっても不安ですよね。
でも、大丈夫。「どこの世界に行っても必ず私が助けに行きますよ!」という慈悲深い存在がいるんです。それが「六地蔵」です。つまり六地蔵は、それぞれの世界の親切なツアーガイドなんですね。『笠地蔵』に出てくるお地蔵さまも、まさにこの「六地蔵」です。
「六道」とはどんな世界?
人間は、一生が終わると、それぞれの行いによって、「六道(りくどう)」という6つのうちのどれかに行き先が決められます。次もまた同じです。こうやって永遠にぐるぐると六道を巡ることになるのですが、これを「輪廻(りんね)」といいます。
「六道」には次の種類があります。
・天 道(てんどう):長寿が約束され快楽で満ちあふれた世界
・人間道(にんげんどう):四苦八苦はあるものの楽しみもある世界
・修羅道(しゅらどう):怒りを抑えられず戦いをやめられない世界
・畜生道(ちくしょうどう):弱肉強食の食うか食われるかの世界
・餓鬼道(がきどう):食べても食べても満たされない飢えの世界
・地獄道(じごくどう):耐えられない責め苦に遭う苦難の世界
「六地蔵」の名前と役割
この「六道」に行った先で手助けをしてくれるのが「六地蔵」ですが、この「六地蔵」にはそれぞれ次のように名前と役割があります。
・天 道:日光(にっこう)地蔵
楽しみが多いため、悟りを忘れがちな人を導く
・餓鬼道:宝珠(ほうじゅ)地蔵
飢えに苦しむ者に望みがかなう宝の玉を授ける
・畜生道:宝印(ほういん)地蔵
言葉の通じない動物たちを知恵のしるしで導く
・修羅道:持地(じじ)地蔵
争いの絶えない世界で人々の心を静める
・人間道:除蓋障(じょがいしょう)地蔵
人々の悩みや不安を取り除く
・地獄道:檀陀(だんだ)地蔵
最も苦しい場所へ杖を持って駆けつける
「人間道」は輪廻を抜けるビッグチャンスだった!
でも、永遠に「輪廻」のループを繰り返していたら身がもちません。次は天道に行けたらいいですが、よほどの徳を積まなければまず無理でしょう。それに、天道の次は地獄かもしれませんし、なんとかこのループから抜け出す方法はないものでしょうか。
それがあるんです!! それが六道を経由せずに「極楽浄土」へ引っ越してしまうという方法です。しかも極楽浄土の入り口は「人間道」にしかないらしいんですね。ということは、現在、「人間道」にいるということ自体が千載一遇のビッグチャンスなんです。
どうやったら「極楽浄土」に行けるの?
「極楽浄土」は天道のような快楽の世界ではありません。ただし、人間道のような「四苦八苦」が一切ない、修行するにはもってこいの環境です。そこで阿弥陀さまに教わりながら「悟り」を目指すことになります。これが極楽浄土の日々の暮らしです。
極楽浄土に行くには2つの方法があります。1つ目は「解脱(げだつ)」によるもの、2つ目が「念仏(ねんぶつ)」を唱えるものです。
方法1:修行によって解脱する
方法の1つが「解脱(げだつ)」です。「解脱」とは、人間が持つ悩みや苦しみ、束縛や執着から解放され、自由な境地に到達することを指します。ただ、それを成し遂げるための方法は「修行」によるため、一般人にはかなりハードルが高いルートとなります。
方法2:念仏を唱える
2つ目は念仏を唱えることです。阿弥陀さまはとても慈悲深く、「自分で修行できなくても、私を信じて名前を呼んでくれれば、死後は必ず私がいる極楽浄土へ連れていきますよ」と約束してくれているんですね。
ですから、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と唱えるだけで「極楽浄土」に連れていっていただけるんです。それまでの信仰心に関係なく、死ぬ直前に唱えてもセーフです。
ちなみに「南無阿弥陀仏」とは、「阿弥陀仏にすべてをお任せします」という意味です。。
まとめ
本や漫画を読んだり、アニメや映画を見たりするときに、仏教の考え方が出てくることも多いですよね。全体の概要を知っていると理解が進むのではないかなと思い、今回は「六道」と「六地蔵」、そして「極楽浄土」の行き方についてまとめてみました。
詳しい方や仏教の関係者さまからすれば至らない表現もあるかと思いますが、こ目的をご理解いただくとともに、細部に齟齬(そご)がありましたらご了承ください。
最後まで読んでくださってありがとうございました!




