「そつがない」はどうしてひらがなで書くの? 「そつ」の漢字は「卒」じゃないの?

気になることば

はじめに

「そつがない」とか「そつなくこなす」の「そつ」は漢字でどう書くのでしょうか。「卒業」の「卒」でしょうか。「引率」の「率」でしょうか。

実はこれは「そつ」とひらがななんですね。もしも漢字を用いているものがあったら、それは単なる当て字です。

でも、どうして漢字で書かないのか不思議ですよね。今回は「そつがない」や「そつなくこなす」の「そつ」は、どうしてひらがなにするのかを探っていきたいと思います。

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「そつ」の語源は不明です

どうして「そつ」はひらがななのかというと、そもそも語源が不明であるため漢字にすることができないようです。「失(しつ)」から転じたとするものや、「損(そん)」と関連があるとする説などがあるようですが、どれも確定的ではありません。

ですから「そつがない」や「そつなくこなす」は堂々とひらがなを用いてくださいね。

「卒がない」は誤りなの?

でも、「卒がない」という表記を多く見かけますよね。これは誤りなのでしょうか。疑問に思ったので手持ちの辞書で検証してみることにしました。私が調べた国語辞典は次のとおりです。

『広辞苑(第七版)』
『大辞林(第四版)』
『明鏡国語辞典(第三版)』
『岩波国語辞典(第八版)』
『三省堂国語辞典(第八版)』
『新明解国語辞典(第八版)』
『現代国語例解辞典(第五版)』

いずれの辞典にも漢字表記は掲載されていませんでしたが、このうち、かろうじて『三省堂国語辞典』にだけ「俗に「卒」とも」とありました。ですから、「卒がない」や「卒なくこなす」などと書いても誤りにはならないのかもしれません。

だた、あくまで「俗に」の扱いですので正式な表記ではありません。正確を期すなら「そつがない」「そつなくこなす」などひらがなを用いたほうがよさそうです。

「そつ」とはどういう意味?

そもそも「そつ」とはどういう意味なのかというと、「手ぬかり」や「手落ち」や「不十分な点」のことです。

そつ = 手ぬかり/手落ち/不十分な点

多くは打ち消しの語を伴って「そつなく」や「そつがない」の形で用います。ですから、「手落ちがない」や「手ぬかりがない」などプラスの意味で用います。

ただ、「抜け目がない」というように少し皮肉の意味を含むこともありますが、少なくても「そつがない」のはよいことですね。

「そつがない」の意味
・手落ちがない
・手抜かりがない
・抜け目がない

「そつ」の用例
・そつのない応対だった。
・そつのない受け答えに驚いた。
・彼女はやることにそつがない。
・仕事をそつなくこなしている。
・彼ならそつなくやってのけるだろう。

まとめ

「そつ」には、「手落ちがない/手抜かりがない/抜け目がない」などの意味がありますが、語源がはっきりしないため、ひがなで「そつ」と表記するのが基本です。

今回は「そつがない」はどうしてひらがなで書くのか、その理由をまとめてみました。最後まで読んでくださってありがとうございました!

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