「ごまをする」はなぜ人の機嫌をとることなの?|「媚びる/へつらう/おもねる」はどう違う?

気になることば

はじめに

「自分の利益のために人におべっかを使う」ことを「ごまをする」とか「ごますり」といいますが、どうして「ごまをする」と「他人の機嫌を取ること」になるのか不思議だったので調べてみました。

あわせて、類義語の「媚(こ)びる/へつらう/おもねる」はどのように使い分ければいいのかについても触れていますので、どうぞおつきあいくださいね。

すり鉢にゴマが張りつくことが「ごまをする」の語源らしい

「ごまをする」の語源を調べてみたところ、すりこぎでゴマをすると、すり鉢のあちこちにべったりとゴマが付着してしまうことから、「まとわりついておべんちゃらを言うこと」という意味になったという説が有力でした。

「ごまをする」のほかに「みそをする」という言い方もありますが、これも同じ理由によるもので、意味も同じです。

(参考文献)
『語源辞典』三省堂
『暮らしとことばの語源辞典』講談社

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「媚(こ)びる/へつらう/おもねる」の使い分け

「ごまをする」の類義語はいろいろありますが、代表的なものが「媚(こ)びる/へつらう/おもねる」です。でも、これらは使い分ける必要があるようですので、念のためここで確認しておきたいと思います。日常的にはこだわらなくてもいいかもしれませんが、念のためです。

「媚(こ)びる」とは?

「媚(こ)びる」とは、下心があって、相手が喜ぶように褒めたり優遇したりする場合に使います。相手を喜ばせることは悪いことではありませんが、「下心」があるとまた違ってくるかもしれません。あるいは、女性が男性の気を引くためになまめかしい態度をとることにも使われます。

「へつらう」とは?

「へつらう」は「相手に気に入られようとして機嫌をとる」という意味です。こちらは「目上の者に気に入られようとしてお世辞を言う」ことに用いられますから、上司や権力者など、立場が上の人に対しては「へつらう」を用います。気に入られることで自分をよく扱ってほしという気持ちがそうさせている場合、あるいは、そう見える場合に使います。

「おもねる」とは

「おもねる」も「気に入られようとすること」ですが、こちらは特定の個人だけでなく、主に「権力」や「大衆」などの抽象的なものに対して使います。

・大衆におもねるだけの政策ではないか。
・権力におもねらない態度を貫きたい。
・世間におもねって生きていくのはつらい。

※「おもねる」は五段活用ですので、「おもねらず」「おもねって」「おもねった」などと変化します。

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補足とまとめ

・「ごまをする」とは、すり鉢にべったりとゴマがついてしまうことから、「まとわりついて機嫌を取ること」という意味になりました。
・「媚びる」は対等もしくは下の立場の人に対して使います。
・「へつらう」は上の立場の人に対して用います。
・「媚びへつらう」で対象は限定されなくなります。
・「おもねる」は「権力」や「大衆」といった抽象的な対象にも用いられます。

「媚びる」の「媚」は常用漢字ではないので「こびる」とひらがなで書いたほうがいいのでしょうが、ひらがなだと意味がわかりにくくなってしまうため、今回は読みがなを添えて漢字表記にしました。

ちなみに、「へつらう」は「諂う」、おもねるは「阿る」という漢字がありますが、どちらも同じく表外字なのでひらがなにします。

ほかに「ごまをする」の類義語としては次のようなものがあります。

・おべんちゃらを言う
・おべっかを使う
・取り入る
・取り巻く
・しっぽを振る
・太鼓をたたく
・秋波を送る
・媚(こび)を売る
(など)

今回は、「ごまをする」の語源と類義語についてまとめてみました。文脈に応じてふさわしいものを選んでみてくださいね。最後まで読んでくださってありがとうございました!

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