はじめに
「たいしょう」というときに、「対象」「対照」「対称」のどれにするか迷ったりしませんか? ためしに、次のものはそれぞれどの漢字か考えてみてください。
・子供がたいしょうの本
・性格がたいしょう的な兄弟
・左右たいしょうの形
すぐにパッと思い浮かんだら、もうこの記事は必要なさそうです。でも、「あれ?」と思ったら、ぜひこの記事を読んで、使い分けについて確認してみてください。用例をたくさん用いて、できるだけ丁寧に解説してみたいと思いますので、どうぞ最後までおつきあいくださいね!
(答え)
・子供が対象の本
・性格が対照的な兄弟
・左右対称の形
対象とは?
「対象」は物事や行為や活動などの目標や目的そのもののこと、つまり「ターゲット」のことです。最も出番が多いのが、この「対象」ではないでしょうか。
また、「調査対象」や「対象年齢」というように「○○対象/対象○○」の形でもよく用いられます。
(用例)
・調査対象
・恋愛対象
・課税対象
・攻撃対象
・対象地域
・対象年齢
・このアンケートは大学生を対象に実施された。
・子供を対象とした教育プログラムが企画されている。
・研究の対象として、この地域の生態系が選ばれた。
・高齢者を対象にしたサービスが増えている。
・その制度はすべての市民を対象としている。
【覚え方のコツ】
「ターゲット」や「オブジェクト」の意味なら「対象」を使います。つまり、働きかけや認識が向けられる先のもの、条件に合致するものというニュアンスでしょうか。
対照とは?
「照」は「照らし合わせる」という意味ですので、お互いを見比べることや、その違いがはっきり際立っているときに使われます。
(用例)
・対照的
・好対照
・対照する(させる)
・対照実験
・貸借対照表
・新旧を対照して表にする
・原文と訳文を対照する
・この物語は善悪の対照がテーマだ
・明暗の対照が、この絵をより印象的にしている
・彼の冷静な態度が周囲の慌てた様子は好対照だった
【覚え方のコツ】
「照」の漢字があるので「照らし合わせる」はイメージしやすいですね。対比すること、コントラストの意味なら「対照」にします。
対称とは?
「称」は「つりあう」という意味があって、「左右や前後がつりあって同じ形になっていること」を表します。「シンメトリー」ともいいますね。主に図形やデザイン、バランスの意味で用います。
(用例)
・左右対称
・点対称
・線対称
・面対称
・対称移動
・非対称
・方眼用紙に線対称の図形を描きなさい。
・蝶の羽は美しく対称に広がっている。
・この庭園は池を挟んで見事な対称構造をしている。
・右と左が非対称なデザインの建物を建築中です。
【覚え方のコツ】
バランスがとれていること、シンメトリーのことなら、この「対称」です。「対称」と「対照」が紛らわしいですが、形や図形のことなら「対称」にします。
補足
「称」は「はかり」のことです。「称(たた)える」や「称賛」などと使うのは、釣り合ったものをバランスを崩さずに上に持ち上げるという意味から、「相手を持ち上げるようにして褒める」という意味で用いられるようになったんですね。
ですから、「称=はかり」→「バランス」というように覚えてみてくださいね。
まとめ
最後におさらいしておきましょう。
対象 → ターゲット(調査対象、課税対象)
対照 → コントラスト(対照的な性格、対照実験)
対称 → シンメトリー(左右対称・線対称)
最もよく使うのは「対象」ですね。ですから、もしも迷うような場合は、まずは「対象」を当てはめてみて、ターゲットの意味ではないなと思ったら、照らし合わせる場合は「対照」、図形のことなら「対称」というように判断していくのがよさそうです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

