はじめに
スギ花粉の時期になると「卒業ソング」が流れ卒業のシーズン到来です。花粉症で卒業式がつらい方もいらっしゃるかもしれませんが、「卒業式」ではなく「修了式」を挙行するところもありますよね。
結論からいえば、専門学校は「修了」で、大学は「卒業」、大学院は「修了」を用いるのですが、どうしてみんな「卒業」にしないのか気になりませんか? 今回は、「卒業」と「修了」の使い分けを探ってみたいと思います。
「卒業」と「修了」はどう違うの?
「卒」は「終える/終わる」、「修」は「修める」という意味があります。そのため、「卒業」は「定められた課程を学び終え、その学校を去ること」で、「修了」は「学業などの一定の課程を修めること」という意味になるんですね。
卒 業:定められた課程を学び終え、その学校を去ること(明鏡国語辞典)
修 了:学業などの一定の課程をおさめること(明鏡国語辞典)

ということは、「学校」は「卒業」、それ以外は「修了」なんだね。
「学校」の種類にはどんなものがあるの?
「学校」での学びを終えるのが「卒業」ですから、「学校」なのか「学校ではないのか」で「卒業」と「修了」を使い分ければいいわけですね。では、「学校」にはどんなものが含まれるのでしょうか。
学校教育法では第一条で「幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校」を学校と定めていますので、ここにある学校の場合は「卒業」、ないものは「修了」を用います。ちなみに、小中一貫校は「義務教育学校」、中高一貫校は「中等教育学校」になります。
一般的に学び舎のことを「学校」といいますので、それと区別するために、「学校教育法第一条に定められている学校」という意味で「一条校」と呼ぶこともあります。つまり、一条校であれば卒業、それ以外は修了になります。
【学校教育法 第一条】 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。
高等専門学校、いわゆるロボコンで有名な高専は「卒業」ですが、それ以外の専門学校を含む専修学校は「修了」になります。また、各所で開催される「○○講座」のたぐいも「修了」を使います。「修了」というのは「学校を出ました」というのではなく「学び終えました」ということですね。
もちろん、専門学校も、教育基本法においては「学校」ですし、学校教育法の「第124条」の上では学校ではあるものの、いわゆる「一条校」には入っていないことになります。(※専門学校であっても、学校によっては、「修了」ではなく、あえて「卒業」を用いているところもあるようですので、ご自身が在籍した学校の方針を確認してください。)
ちなみに、短期大学は大学に含まれますし、大学院は大学の一部という扱いです。
複雑なのは幼児教育で、保育園とこども園は「こども家庭庁」の管轄、幼稚園は「文部科学省」の管轄です。以前は幼稚園のみが一条校でしたが、現在はこども園の「幼保連携型」というタイプが学校教育法上の「一条校」に含まれるようになりました。ただ、幼稚園も保育園もこども園も区別せずに「卒園」が使われています。

プログラミング講座も、最後まで受講すれば「修了」になるわ。
大学は「卒業」で大学院は「修了」です
大学は4年間(医学部・歯学部・獣医学部・薬学部の一部は6年間)で一区切りです。これを学士課程といって、必要な単位を取得すれば無事に卒業して「学士」という学位を与えられます。
そのあと大学院に進学することもできます。大学院生は「学生」ではなく「院生」になります。大学院は、大学によって異なりますが、多くは修士課程を2年で修了して「修士」の学位を授けられます。さらに進学すれば博士課程となって、おおむね3年ほどかけて学び、最後に博士論文審査に通れば「博士」の学位が与えられます。
前述したように、大学も大学院も一条校ですから「卒業」ですが、大学院は修士課程や博士課程という特定の課程を修めることに重点が置かれるため「修了」が用いられます。あるいは、「満期退学」や「単位取得退学」といった制度が設けられていることもあります。
「卒業証書授与式」と「学位記授与式」のこと
卒業式というのは学習指導要領に定められた特別活動のうちの儀式的行事のひとつですので、小中高では必ず挙行されます。卒業式のことを、卒業証書を授与する式典ということで「卒業証書授与式」と呼称したりもしますよね。
一方、大学は「学位記授与式」としているところが多いようです。学位記とは、学士、修士、博士、それぞれの学位を取得したことを証明するもので、いわば卒業証書のようなものですね。
まとめ
ここまで、「卒業」と「修了」の違いをまとめてみました。学校か学校でないかなどはあまり重要ではなくて、いずれの学びも称賛されるべきものですので、「卒業」でも「修了」でもよい気もしますが、念のため押さえておいてくださいね。
最後まで読んでくださってありがとうございました!


