「マジョリティ」とは? 「マイノリティ」とは?
日頃から頻繁に耳にする「マジョリティ」と「マイノリティ」ですが、マジョリティが「多数派」、マイノリティーが「少数派」という意味ですよね。
「マジョリティ」:「多数者・多数派」 英語表記は「majority」
「マイノリティ」:「少数者・少数派」 英語表記は「minority」
「マジョリティ」と「マイノリティ」の覚え方は?
「マジョリティ」と「マイノリティ」、どっちがどっちか迷いそうになったら、アメリカの野球リーグを思い出してみてください。
「メジャーリーグ」の「メジャー」は「より大きい」とか「より重要な」という意味ですが、「マジョリティ」の語源は「メジャー」です。確かに「マジョリティ(majority)と「メジャー(maior)」はスペルも共通していますよね。それでマジョリティは「多数派」を意味するというわけです。
一方、下位リーグのことを「マイナーリーグ」といいます。この「マイナー(minor)」は「より少ない」とか「重要ではない」という意味ですが、「マイノリティ」の語源は「マイナー」なんです。それて「マイノリティ」は「少数派」を意味することばになりました。
ただ、日本においては、マイノリティを「社会的弱者」の意味で用いることが多いので、そこは留意してください。単に少数派のことを言いたければ、「マイノリティ」を用いずに、そのまま「少数派」や「少数意見」としたほうが誤解がないかもしれません。
「サイレントマジョリティー」と「ノイジーマイノリティー」
「サイレントマジョリティー」という言葉があります。サイレントは「静かな」、マジョリティーは「多数派」ですから、文字どおり「静かな大衆」のことです。大多数の人は、心の中で思っていたとしても積極的な言動はしないので、「もの言わぬ多数派」などとも呼ばれます。日本ではとても多いかもしれませんね。
対義語は「ノイジーマイノリティー」です。ノイジーは「うるさい」、マイノリティーは「少数派」ですから、「声だけ大きい少数派」と訳されます。もちろん少数派の意見も尊重されなければなりませんが、一部の目立つ人だけの意見に振り回されると向かうべき方向性から外れてしまうことがあるため、このような言い方をされるんですね。
サイレントマジョリティ:もの言わぬ多数派
ノイジーマイノリティ:声だけ大きい少数派
「マイノリティーインフルエンス」とは?
民主的な社会においては、みんなのことはみんなで決めていきますから、どうしても多数派の意見が通ってしまいます。では、少数派の人は何を言っても無駄なのかというと、そうではありません。
少数派の人たちが信念を持って訴えると、多数派にそれが伝わって影響を及ぼすことがあります。これを「マイノリティーインフルエンス」といいます。インフルエンスとは「影響力」のことですね。
例えば、少数派の人が根気よく意見を言い続けると、「そこまで言うなら、とりあえずやってみようか」と合意を得られたり、有名な人や実力者が提案することで、「あの人が言うんだから間違いないんじゃない?」とみんな賛成したりということが起こります。それぞれ「下からの革新」「上からの革新」とも表現されます。
下からの革新:そこまで言うなら、とりあえずやってみようか。
上からの革新:あの人が言うんだから間違いないんじゃない?
人数に関する慣用句を覚えよう
「マイノリティ」や「マジョリティ」は、ほとんど日本語のようになって私たちの生活に浸透していますが、元来の日本語にも人数の力を言い表した慣用句はたくさんありますので、ついでにここで触れてみたいと思います。
「多勢に無勢」とは?
多勢に無勢:少ない人数で大勢を相手にしてもかなわない
「多勢(たぜい)に無勢(ぶぜい)」とは、「少ない人数で大勢を相手にしても、とてもかなわない」という意味です。「勢いが多い」のが「多勢」で、「勢いが無い」のが「無勢」で、それぞれ人数の多寡を示しています。
「寡をもって大衆を制す」とは
寡をもって大衆を制す:少数の人たちが大勢の人を相手に勝利する
「寡(か)をもって大衆を制す」は、少数の人たちが大勢の人を相手に勝利することです。「寡」は少ないことですが、人数が少なくてもキレる人たちの集まりなら可能かもしれませんね。
「少数精鋭」とは?
少数精鋭:数は少ないけれどもえり抜きの人たち
少数精鋭(しょうすうせいえい)とは、数は少ないけれどもえり抜きの人たちであることです。「少数精鋭部隊」や「少数精鋭で臨む」などと用います。
「烏合の衆」とは?
烏合の衆:人数は多いけれども統制がとれていない集団
「烏合(うごう)の衆」とは、まるで烏(からす)が集まっているかのように、人数は多いけれども統制がとれていない集団のことです。数はいるけれども恐れるほどではない場合や、役に立たない集団といった場合に用いられます。
おわりに
今回は「マジョリティ/マイノリティー」、そして「サイレントマジョリティ/ノイジーマイノリティ」についてまとめてみました。
ちなみに、「マジョリティ」か「マジョリティー」か、「マイノリティ」か「マイノリティー」なのか、つまり長音「-」を入れるかどうか迷いますよね。これについては、国の方針としてはっきり示されていないんです。
「コミュニティ」とコミュニティー」もそうですが、国の政策や会議の名称には「コミュニティ」と「-」が入っていないものがたくさんあります。一方、新聞などマスコミ表記では「-」を入れる表記を採用していますが、実際にはかなりゆれがあります。
ですから、「コミュニティ」でも「「コミュニティー」でも、「マイノリティ」でも「マイノリティー」でも、現段階ではどちらを使ってもよさそうです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。


