「よい」と「良い」と「善い」の使い分けについてまとめました

花かごを持つカバのイラスト 表記の決まりごと

はじめに

「よい」というときに、「良い」にするのか、「善い」にするのか、それとも「よい」のままでいいのか、迷ったことはありませんか? なんとなく使い分けているものの、使い分けのルールが頭に入っていれば同じことで迷わなくてすみますので、今回は「よい」と「良い」と「善い」の使い分けについて探っていきたいと思います。

「よい」は、話し言葉だと「いい」になることが多い

「よい」の前に、まず、「いい」について触れておきたいと思います。

「いい」というのは、形容詞「よい」が転じたもので、話し言葉として用います。改まった場面では「よい」になりますが、圧倒的に「いい」が用いられていますよね。私たちが気軽に使っている「いいね!」もそうですが、この場合はひらがなで「いい」と書いて、漢字にはしません。「良いね!」とは書かないということですね。

「いい」の用例
・どっちがいいでしょうか。
・そんなことどうでもいい。
・いいことがありますように。
・もう少しいい車が欲しいな。
・合格するといいですね。
・いい年をしてみっともない。
・働けるのも、いいところ5年かな。

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「よい」とひらがなで書くのは補助形容詞の場合

「よい」と必ずひらがなにするものに、補助形容詞としての「よい」があります。補助形容詞の「よい」は「~てよい」「~てもよい」の形で用いられ、許可や承認を示します。「いい」になることも多いですが、いずれにしてもひらがなで表記します。

食べてよい  / 食べていい
走ってよい  / 走っていい
寝てもよい  / 寝てもいい
座ってもよい / 座ってもいい

確かに「よい」ってあんまり使わない。ほとんど「いい」って言っちゃう。

「好い」や「佳い」の意味の場合はひらがなにする

「よい」という漢字は「良い」や「善い」のほかに「好い」「佳い」などがありますが、常用漢字表の中で「よい」と読むように示してあるのは「良い」と「善い」だけですので、「好い」や「佳い」の意味の場合はすべて「よい」とひらがなで書きます。

良い(→良い):すぐれている 悪いの反対(一般語)
善い(→善い):道徳的にかなっている
好い(→よい):好ましい ふさわしい うれしい(など)
佳い(→よい):美しい 整っている おめでたい(など)

ひらがなで表記する用例としてはのようなものがあります。

・よいところに来てくれました。
・よいことがあったんですね。
・よい景色を眺めながらの食事は最高です。
・このよき日に卒業証書を手にすることができました。

「良い」なのか「好い」なのかはそれぞれ感覚的な違いもあるかもしれませんが、「好循環」「好景気」などの熟語にあるように、「いい感じ」というような場合には「よい」とひらがなが好まれます。

「よき日」は「佳き日」ってことなんだね。

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「善い」と漢字で書くのは道徳性を強調する場合

「善い」というのは限定的な表現で、道徳的な意味でしか用いません。熟語であれば「善行」「善悪」「善処」「次善策」などと用いますが、和語として「善い」というのはあまり出番がありませんよね。ただ、常用漢字ですので、「善いことをした人を表彰しましょう」などというのは漢字で書きます。

・彼の善い行いをたたえましょう。
・世の中のために善いことをしたい。

「善人」という表現がありますので「善い人」と書けなくはないですが、特別に徳を積んだ人でなければ「いい人」や「よい人」のほうが適切です。「善い」は、道徳性や倫理性を強調したい場合に用います。

「良い」と漢字で書くのは「悪い」の反対語として

「良い」と漢字で書くのは「優良」や「優秀」の意味の場合ですね。「すぐれている」というときには「良い」を用います。また、「悪い」の反対語としての意味を持たせたい場合も「良い」と書きます。

・成績が良い / 成績が悪い
・品質が良い / 品質が悪い
・手際が良い / 手際が悪い

書き手に判断が委ねられるものもある

ここまで「よい」「良い」「善い」の書き分けについて述べてきましたが、解釈が分かれるものもあるんですね。例えば次のようなものです。

・よい気分になった。
・感じがよい娘さんだね。
・よい人間関係を築く。
・体によい野菜を食べる。

ちなみに、公用文や新聞表記では「気分が良い」「感じが良い」と表記するようにしていますが、議事録表記やNHKの表記では「気分がよい」「感じがよい」を優先して用いるようになっています。

つまり、「気分が悪い」に対しての「良い」なのか、「気分が好ましい状態である」という意味なのかで解釈が異なってくるんですね。「良好」というぐらいですからどちらも可能ですが、内容にもよりますので、「悪くない/すぐれている」ことを強調する場合は「良い」、「好ましい」ことを伝えたければ「よい」がふさわしいのではないかと思います。

このようなことを前提に、内容に沿った表記を工夫してみてくださいね。

まとめ

・補助形容詞の「よい」はひらがなにします。
・「好い」や「佳い」の意味の場合はひらがなにします。
・道徳的な意味合いの場合は「善い」にします。
・「優良」や「優秀」、悪いの反対の意味なら「良い」にします。
・書き手に判断が委ねられるものもあります。

今回は「よい」と「良い」と「善い」の使い分けについてまとめてみました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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