かんせい|「歓声」「喚声」「喊声」でどう違うの? 「鬨の声」とはどんな声

もう迷わない 漢字のチョイス

歓声は「キャー」、喚声は「うぉー」、鬨の声は「エイエイオー」

「うわーーー!」という大声がしました。どんな声でしょうか。
(1)推しが登場したので喜びのあまり発した声
(2)群衆の一部が暴徒化して上げた声
(3)威勢よく敵陣に突っ込んだときの声
このようにいろいろなケースが考えられますが、いずれも【かんせい】といいます。

「かんせい」の漢字ですが、(1)は「歓声」、(2)は「喚声」、(3)は「喊声」と書きます。(3)の「喊声」に似たものに「鬨(とき)の声」があります。

声のイメージとしては、「歓声」は「キャー!」、「喚声」は「ウォー!」、「喊声」は「行くぞー!」、「鬨の声」が「エイエイオー!」でしょうか。もちろんさまざまなバリエーションがありますね。「喊声」は「鬨の声」のことだとする辞書もあります。

今回は「かんせい」について、少し具体的に見ていくことにしたいと思います。

「歓声」と「喚声」と「喊声」の違いは?

「歓声」も「喚声」も「喊声」も、どれも「大声」なのは共通しています。どんな声なのかというと、「歓声」は「喜びのあまり発する叫び声」、「喚声」は「驚いたり興奮したりして出す叫び声」、「喊声」は「戦場で士気を高めるためにあげる叫び声」のことです。

「歓」は「よろこぶ」、「喚」は「よぶ、わめく」、「喊」は「さけぶ、大声を張り上げる」という意味があるようです。

「歓声」と「喚声」はどちらも興奮して自然に出てしまう声ですが、喜んでいる場合は「歓声」で、「驚きや興奮」のあまり声が出るのが「喚声」です。

「喚声」と「喊声」の違いですが、「喊声」は自然に出てしまう声ですが、「喊声」は気合いを入れるために自分の意志で声を出します。

歓声:喜びのあまり発する叫び声
・アイドルが登場し、会場から歓声が上がった。
・シュートが決まった瞬間、どっと歓声がわいた。

喚声:驚いたり興奮したりして出す叫び声
・群衆の一部が暴徒化して喚声を上げた始めた。
・奇妙な喚声を上げながら走り去る者がいた。

喊声(かん声):士気を高めるために出す叫び声
・敵チームの勇ましい喊声に圧倒された。
・総勢100名が喊声を上げ、敵陣に切り込んだ。

ただし、このうち「喊声」については、「喊」が常用漢字表にない表外字ですので、「かん声」と書くか、漢字を用いる場合はルビなどを用いるなどしてくださいね。

「喚声」と「喊声」がややこしいけど、自然に出てしまうのが「喊声」で、気合いを入れるために自分で発声するのが「喚声」なのね。

「鬨(とき)の声」とはどんな声?

戦国ものの時代劇やアニメなどを見ていると「鬨(とき)の声」がよく出てきますが、これも「喊声」とよく似ています。

「鬨」というのは、もともとは、大将が「エイエイ」といい、全員で「オー!」と応じるかけ声を3回繰り返していたそうです。心の準備として気合いを入れたり一体感を得たりするために声を出すんですね。

勝利したときにあげるのは「勝鬨(かちどき)」です。同じ「鬨」でも、戦い終えて勝利を確認し、喜びを共有してみんなで声を出すのが「勝鬨」ですね。

もちろん、「エイエイオー!」だけではありませんが、「鬨」も「勝ち鬨」も、個人がばらばらに叫ぶのではなく、みんなで声をそろえて一体感を得るイメージになります。

鬨(とき):戦闘開始に先立って士気高揚のためにあげるかけ声。
勝鬨かちどき):戦いに勝利したときにあげるよろこびの声。

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「阿鼻叫喚」とはどんな意味?

「喚」には「わめく」という意味があると書きましたが、「阿鼻叫喚」という四字熟語はご存じでしょうか。「阿鼻叫喚(あびきょうかん)」とは「人々が泣き叫び、苦しみもがくような、非常にむごたらしいさま」のことで、「その惨状は、まさに阿鼻叫喚さながらであった」などと用います。

どのくらい悲惨なのかというと、「阿鼻地獄」と「叫喚地獄」が合わさったような極度の苦しみということなんです。地獄には八大地獄というものがあり、それが「等活地獄」「黒縄地獄」「衆合地獄」「叫喚地獄」「大叫喚地獄」「焦熱地獄」「大焦熱地獄」「阿鼻地獄(無限地獄)」で、罪の種類によって行き先が決まっているんですが、そのうちの2つということですね。

うれしいことや楽しいことが重なることを「盆と正月が一緒に来たよう」などといいますが、逆に、つらいことが重なってとても苦しいことを「阿鼻地獄と叫喚地獄に同時に落ちたよう」と表現した、それが「阿鼻叫喚」なんですね。

「阿鼻叫喚」って見るからに恐ろしげな漢字だね。

いろんな声を集めてみました

ここまで、「歓声」「喚声」「喊声」について述べてきましたが、最後にいろいろな声を集めてみました。人の声ではないものもありますし、「意見」という意味の「声」もあります。工夫していろいろな声を用いてみてくださいね。

〔~声:せい〕〔~声:こえ〕〔その他〕
怒声
奇声
銃声
音声
和声(※音楽用語)
天声
民声
肉声
美声
名声(※よい評判)
発声
男声
女声
混声

かけ声
しわがれ声
つぶやき声
ひそひそ声
黄色い声
金切り声
神の声
鳴き声
泣き声
涙声
話し声
鼻声
風邪声
笑い声
呼び声(※評判 うわさ)
声色(こわいろ)
声高(こわだか)
声帯模写
声優
声紋
声質
声楽
声量
声域
変声期
鶴の一声(※権威者の意見)




「女性合唱」じゃなく「女声合唱」なのね。

まとめ

「歓声」はよく用いますが、「喚声」や「喊声」は頻度としてはあまり出番がないかもしれません。ただ、声を出すのはうれしいときばかりではありません。驚いたり元気づけのために大きな声を出すことも多いですよね。そのあたりは意識して書き分けてみてくださいね。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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