はじめに
「きふ」というときに「寄附」と「寄付」の両方の表記を見かけますよね。「ふぞく」にも「附属」と「付属」の両方があります。いったいどれを使えばよいのでしょうか。
結論からいえば、新聞や放送、公用文で異なる立場をとっているので、どれを用いてもよいということになります。お立場や方針によってそれぞれ決定してくださいね。
では、具体的にどのように定められているのか見ていくことにしましょう。
「附」を使わず、すべて「付」にする(新聞表記)
新聞表記ではどうなっているのかというと、『記者ハンドブック』では「附」は使わず、みんな「付」にしています。大学に付属する病院や学校であっても「付」を用いるのが特徴です。
寄付/付属小学校
ですから、「寄付」はもちろん「寄付」ですし、「○○大学付属病院」も「付属」にします。名称として扱うのではなく、付属する学校、付属する病院という解釈ですね。
固有名詞は「附」を用い、ほかは「付」にする(NHK表記)
一方で、同じマスメディアでもNHKは異なっていて、「○○大学附属」などという場合には、固有名詞として扱って、そのまま「附」を用いて、それ以外は「付」にする立場です。そのため、「○○附属小学校」や「○○附属病院」など名称の場合に限って「附」を用いるけれども、ほかは「付」にします。もちろん「寄付」も「附」を使わずに「寄付」にします。
寄付/附属小学校
個人的にはこれが最もしっくりしますが、語感の違いもあると思いますので、それぞれのお考えで判断してみてください。
「付」と「附」を使い分ける(公用文)
公用文はちょっと複雑で、「付」と「附」を使い分けます。どう使い分けるかというと、文部科学省の「用字用語例」では「附」の用例として「附則」「附属」「附帯」「附置」「寄附」を示していて、この5語だけは「附」を用いることになります。
「附」:「附則/附属/附帯/附置/寄附」の5語のみ
「付」:上記5語以外
ということは、「寄附」も「附属」もこの5語に含まれますので「附」を用います。
寄附/附属小学校
どうして「附則」が「附」で、「付記」は「付」なのか、私には理解できていません。漢和辞典で調べてみても、「附」と「付」の意味に両者に明確な違いはありませんでした。ですので、このようになっているということだけお伝えするにとどめたいと思います。なお、議事録表記も同様にします。
おわりに
「附」と「付」だけでなく、公用文と新聞などでは表記が異なっていることは多くて、もう少し互いに歩み寄りはできないものかと思ったりすることがありますが、逆に、統制されていないのがよい点だと解釈することもできますね。
仕事上、どうしても表記に縛られてしまう方は別ですが、そうでなければ、ご自分が納得のいく表記を選んでみてください。最後まで読んでいただきありがとうございました。


