はじめに
「たずねる」には「訪ねる」と「尋ねる」がありますし、「訊ねる」も見かけたことがあるかもしれません。どう使い分ければいいのか迷ったことはありませんか?
それをひもとくために、まずは簡単なクイズに挑戦してみてください。
名作アニメ『母をたずねて三千里』
この「たずねて」を漢字で書くならどれでしょうか?
①訪ねる
②尋ねる
③訊ねる
マルコという少年が、出稼ぎに行ったまま音信不通となってしまったお母さんを捜して、イタリアからアルゼンチンまで旅をする物語です。
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正解は…②「尋ねる」でした!
ポイントは居所がわからないことです。
「たずねる」には次のように大きく3つの意味があります。でも、「訊ねる」という漢字は常用漢字ではないので、公用文でも新聞でも「尋ねる」で代用しているんですね。今回は「たずねる」の表記についてまとめていきたいと思います。
①訪れる/訪問する(訪ねる)
②探し求める/教えてもらう(尋ねる)
③質問する/問う(※訊ねる→尋ねる)
「①訪問する」場合は「訪ねる」と書きます
①の「訪れる」の意味の場合は「訪ねる」にします。「訪問」と「訪ねる」は漢字が同じですから迷いがないですね。誰かに会いに行くこともありますし、旅行などで特定の場所を訪れることもありますが、どちらも「訪ねる」にします。
(訪れる/訪問する)
・友人を訪ねる。
・部長の家を訪ねてみた。
・古都を訪ねてみたい。
・ヨーロッパを訪ねたことがある。
「②探し求める」場合は「尋ねる」と書きます
「②探し求める」の意味なら「尋ねる」にします。「訪ねる」とどう違うのかというと、「訪ねる」は、行き先が決まっていて、そこをめがけていくのに対して、「尋ねる」は、不明なものを痕跡や歴史などを手がかりにしてたどっていくイメージです。
居所がわかっているお母さんに会いに行くなら「訪ねる」ですが、どこにいるかわからないけれども、手がかりを頼りに探すことなら「尋ねる」になります。
また、わからないことを教えてもらうことも「尋ねる」にします。「道を尋ねる」ことも、「ルーツを尋ねる」ことも、自分が知りたいことを明らかにする行為なので「探し求める」の仲間なんですね。
(探し求める/教えてもらう)
・地元の人に道を尋ねる。
・先生に勉強法を尋ねてみよう。
・母を尋ねて北海道に行った。
・日本人のルーツを尋ねてみたい。
「③質問する」場合は「訊ねる」ですが「尋ねる」にします
「③質問する」という場合は「訊ねる」なのですが、常用漢字ではないので、公用文でも新聞でも「尋ねる」に統一しています。
「尋ねる」にも「質問する」という意味がありますが、こちらは「質問して教えてもらう」という意味ですので、相手のほうが立場は上ですね。
「訊ねる」は自分が上で、「問い詰める」という意味もありますが、どちらも「尋ねる」に統一するのが一般的です。
「尋ねる」のほうが謙虚な表現ですので、特にこだわりがなければ「尋ねる」で問題ないと思いますが、どうしても「訊ねる」の意味合いで用いたい場合は、「たずねる」とひらがなにするか、「訊(たず)ねる」のように初出にルビか読みがなを添えると親切です。
(質問する/問う)
・年齢をお尋ねします。
・出身地を尋ねてもいいですか。
・遅れた理由を尋ねているんです。
・尋ねられて困ることがあるんですか?
まとめ
・「訪問する」意味なら「訪ねる」にする
・「探し求める」場合は「尋ねる」にする
・「質問する」場合も「尋ねる」にする
・「質問する」場合は「たずねる」とひらがなにすることもある
今回は「訪ねる」と「尋ねる」の使い分けについてまとめてみました。何か役に立つことがあったら幸いです。最後まで読んでくださってありがとうございました。



