『一寸法師』の要旨とあらすじと感想まとめ/「小さかったら高くとべ」

知っておきたい日本の昔話

『一寸法師』の要旨をまとめました

『一寸法師』は、背丈が一寸しかない小さな青年が、都に出て大臣に仕え、大臣の娘を鬼から守り、打ち出の小槌の力で本来の体格を手に入れて、その後は都で幸せに暮らしたというお話です。

『一寸法師』のあらすじをまとめました

昔、小さな村におじいさんとおばあさんが住んでいました。子どもがいなかったので、神さまに願かけしたところ、背丈が一寸ほどしかない男の子を授かりました。ふたりは喜んで「一寸法師」と名づけて大切に育てましたが、いくら食べさせても体が大きくなりません。それでも一寸法師は元気に毎日を過ごしていました。

ある日、一寸法師は、貧しい老夫婦の暮らしを助けたいと、都に行って稼いでくることを決意します。そして、縫い針を腰に差して刀の代わりにすると、川にお椀を浮かべて舟にして、箸のかいでこぎだしました。

都に着くと、三条通りにある大臣の屋敷で働かせてもらえることになりました。小さいながらも気が利いて賢かった一寸法師は、ある日、清水寺にお参りにいく姫さまのお供をすることになりました。

すると、姫を食おうと大きな鬼がたちふさがりました。一寸法師はすぐさま鬼の口の中に飛び込むと、針の刀を腰から抜いて、鬼の腹の中をチクチクと刺しまくりました。鬼はたまらず一寸法師を吐き出すと、そのまま逃げていってしまいました。

慌てて逃げた鬼は打ち出の小槌を落としていきました。姫さまがその小槌を振ったところ、一寸法師の体はみるみる大きくなって立派な若者になりました。大臣はこのことをとても喜んで、姫を救った一寸法師と姫と結婚させました。一寸法師は山奥の村からおじいさんとおばあさんを都に呼び寄せ、それからずっと幸せに暮らしたのでした。

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『一寸法師』の感想を書いてみました

一寸法師の身長は、「一寸」ですから3センチ前後と考えられます。かなり小さいですが、それでも一寸法師は背丈が小さいことを気に病む様子もなく、すくすくと成長していきます。背が小さいことを必ずしもマイナスだとは考えていなかったのかもしれません。

背が低いというと、伝説となっているのが1980年代に活躍したNBAのスパッド・ウェブ選手です。「小さかったら高くとべ」は有名ですよね。本当にかっこいいフレーズです。身長168センチでダンクシュートを決める映像が残っていますが、見ると今でも胸が震えます。

最近でいうと、バレーボールのアニメの『ハイキュー!!』の主人公・日向翔陽も背が低くて、高校時代は164センチです。でも、リベロではなくアタッカーとして活躍するんですね。彼が目指す「小さな巨人」とは、「小さくても巨人になれる」ということではなくて、「小さいからこそなれる巨人」のことなのだと思います。

ただ、一寸法師の小ささは、こうしたスポーツ選手の比ではありません。それでもひるまずに、突然襲いかかってきた鬼の口に飛び込み、内蔵から攻撃を仕掛けました。これは小さい一寸法師にしかできないことです。自分の身体的な「特徴(目立つ点)」を「特長(すぐれた点)」に変えて、見事に鬼をやっつけました。

大相撲もそうですが、体の小さい人が大きい人に勝つと、私たちは思わず歓喜してしまうのはなぜでしょうか。それは、無意識のうちにそれぞれ自分のコンプレックスを重ねているからではないかと思います。小さいことを逆手にとった一寸法師の行動は、私たちに「君のその特徴は短所じゃないよ」と語りかけてくれているようにも思います。

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「打ち出の小槌」を考察してみました

結局、一寸法師は「打ち出の小槌」によって、人並みの身体を手に入れ、逆玉の輿にのって幸せになりました。せっかく一寸法師ならではの特長があったのに、それを捨ててお決まりのパターンに落ち着くところが少し残念にも思えてしまいますが、本人が幸せなら何も問題ありません。気にしてないように見えても、人並みの身体は念願だったことでしょう。

打ち出の小槌はなぜか鬼が持っています。鬼は働かないので打ち出の小槌がないと生活できないのかもしれません。ほかに打ち出の小槌を持っていらっしゃる方といえば大黒さまです。大黒さまは七福神の一柱で財福の神さまですが、成した財は打ち出の小槌から出たものなのでしょうか。

「打ち出の小槌」は、『ハリー・ポッター』なら「魔法の杖」ですし、『ドラえもん』なら「四次元ポケット」です。『ドラえもん』は、初期はのび太がドラえもんに助けてもらってばかりでしたが、教育的に問題があるということから、途中から四次元ポケットを使ってもなかなかうまくいかないお話に変わってきました。このあたりは難しいですよね。

私たちは「打ち出の小槌」がない世界で生きていかなければなりませんが、でも、もしも打ち出の小槌を持っていて思いどおりのものを手に入れたとしたら、私などは言い訳ができなくなってかえって困ってしまう気がします。「こうだったらいいのにな」とないものねだりしているほうが、凡人の私にはどうやら性に合っていそうです。

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